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二枚目のカード 4

 それは一瞬の出来事だった。


 突然背後から突き飛ばされて。


「ぐえ!」


 身体をアスファルトに叩きつけれて変な声を出してしまった。


「大丈夫かプリンセス!」


 咄嗟にわたしを助けてくれたのは……。


「シンク! うわあああん、恐かったよ~!」


 思わず抱き着いた。


「無事でよかった」


 わたしに向かってそう言うと、今度はどこか遠くに向かって。


「野郎、この落とし前は付けさせてもらうぞ!」


 叫んで指をパチンと鳴らす。



 パパパパン!!



 ドーン!!




 凄まじい破裂音と衝撃音が聞こえた。


 視線を向けると……。


 さっきのセダンが信号機の支柱に衝突していた。



 ◇ ◇ ◇



 セダンの運転手は駆け付けたお巡りさんに連れていかれた。


 そしてわたしは念の為、病院で診察することになった。


 診断結果として、わたしは左肩の打撲だけで済んだ。


 でもどちらかと言えば……。


「いやあ、まさか折れていたとはね」


 松葉杖を両手に診察室から出てきたシンク。


 ギプス固定された片足に自然と目が行く。


「もしかして心配してくれるのかい?」


「当たり前でしょう! だってシンクはわたしのせいで怪我をしたんだもの」


「キミのせいじゃないさ。それにその気持ちだけで十分だ」


「十分じゃないよ! だからね、わたしが魔法で治してあげる」


 ポッケからカードを出す。


 でも出てきたのは黒い方のカード。


「あっ間違えた。こっちだった」


 改めていつものカードを出したら、さあジューシーミカンに変身だ。


「変――」


「おい! ちょっと待て! なんだ今のは!?」


 シンクが遮ってきた。


「え? これ? カードだよ。これでジューシーミカンに変身してぇ、それからシンクの足を治すお薬を作るんだよ」


「違う! 俺が聞いているのはさっき一瞬だけ見えた黒い方のカードだ!」


「ああ、これ? さっき美咲先生に貰ったの。なぜか分からないけど、わたしがカードを集めていることを知ってたんだよ」


「…………」


 急に怖い顔になったシンク。


「え、何? どうしたの?」


「まずい、それをすぐに捨てろ!」


「え?」


「いいから早く!」


 シンクの怒鳴り声が病院中に響く。


 ほら、周りのみんなが鋭く睨んできたじゃない。


 しょうがないからとりあえずシンクに手渡そうとしたその時。


「あ、あれ?」


 黒いカードはシューって溶けるように消滅して……。


 ガシン!!


 そんな音が聞こえて首が窮屈になった。


「え? な、何これ!?」


 首元に手を当てると、いつの間にか現れた首輪がわたしの首をピチッと地味メに締め付けている。


「あ~くそ、遅かった……。プリンセス、黒いカードの正体は呪具だ。キミはめられたんだ」


「えええええ!? ところでじゅぐ(・・・)って何?」


「はあ……。ジャックの苦労が分かった気がするよ」


「いやあ、それほどでも~」


「キミを褒めた訳じゃないからな」

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