小さくなったみかん 2
公園にやってきたよ。
「やっぱアリさんの大群といったらここだよね」
さっそく足元には本物のアリさん達が行列を作っていた。
「なあ、オレもう帰っていい?」
「えーどうして? 雪丸お散歩大好きじゃん。犬じゃん」
「犬って言うな。俺は元々……」
…………。
ちょっとアリさんに気を取られていた隙に雪丸の声が途絶えた。
「元々なに? もー、ちゃんと言わないと分かんないよ。って、あれ?」
振り返ると、さっきまでいたはずの雪丸の姿が消えている。
「雪丸~! 雪丸どこ~! 一人で帰っちゃったの~? もうしょうがいなぁ。わたしも帰ろっと」
その時、目の前がピカ―っと光った。
目の前に現れた雪丸。
「あっ、雪丸見っけ! もうどこ行ってたの心配したんだぞ ☆彡」
「いや、それはこっちの台詞だ。それになんなんだ、あの大きいアリは?」
雪丸が指……もとい前足を差した向こうには大きなアリさん達の行列。
大きさは雪丸の身体と同じくらい。
確かにいつも小さな生き物が大きいのってちょっぴり恐いかも。
「でもわたしじゃないよ。だってカードの能力で縮尺は変えられないんだもの」
わたしが持っているこのカードには不思議な能力がある。
それは主に3つ。
1.魔法使いに変身できる。
2.絵を立体にする魔法が使える。
3.必殺技ジューシー柑橘スプラッシュを撃てる。(1日1回の条件あり)
わたしは公園に到着してからはまだ変身をしていない。
変身しなきゃ魔法だって使えない。
「それにほら、わたしの絵はファンシーなデフォルメ調でしょ? あんなリアリはわたしの趣味じゃなくってよ」
「リアリ?」
「リアルなアリさんだからリアリ。わたしの絵と比べてみる? はい、ファンシー」
ポッケから出した画用紙をバッと広げた。
「うわ! だからオレにそれを見せるなよ! だが確かにその画用紙にはアリの絵が存在している。じゃあ何なんだあのリアリ達は!?」
「さあ」
「ちょっとは考えてくれ! それに他にも色々おかしいだろ! あの植物も異常な程でかすぎる! これってまさか――」
雪丸が何かを言いかけたその時、突然足元が大きく揺れ始めた。
ズドドド!!
続けて凄まじい衝撃音。
更に突然真っ暗になる空。
何か影のようなものが日差しを遮っている……?
それが一体何なのか……。
目をよーく凝らして見渡してみる……。
…………ん?
「んな!?」
思わず変な声が漏れた。
雪丸が言いかけたことがようやく分かったからだ。
目の前にあるのは日差しを遮る大きな大きな巨人の身体。
そして今その足が高く振り上がる。
いや、もう既にわたし達の頭上を覆っている。
「きゃあああああ! どうしよう雪丸~!」
既に気を失っている犬。
まずいまずいまずいまずい!!
わたし達は踏み潰される!!
あの巨人の足に!!
「きゃあああああああ!!」
そう……。わたし達は魔法による攻撃を受けて身体を小さくされたのだ――。




