小さくなったみかん 1
自室で机に向かっていると。
「何やってんだ?」
後ろからペットの雪丸が話しかけてきた。
雪丸は真っ白なモフモフのワンちゃんで人の言葉を喋れるの。
「絵を描いてるんだよ、ほら」
わたしは自信作を十枚ほど見せると。
「うわああ! 何だその絵! 気持ち悪っ!」
「なにって、アリさんの大群だよ! 可愛いでしょう?」
「やめてくれ~、オレそういうのダメなんだよ~」
雪丸はアリさんの大群が恐いみたい。
「でもさー雪丸。わたしはスゴイことに気付いてしまったのだよー」
「スゴイこと? ろくでもないことの間違いじゃねーのか?」
「そんなことないよ! 変身! アリさん召喚!!」
ブオアアアアアア!!
↑絵からたくさんのアリさんが放出される音。
アリさんの大群は蠢くようにお部屋を飛び出し階段を這いずって1階へと降りていく。
間も無く。
「ぎゃあああああああああ!!」
あっ、ママの悲鳴だ。
……15分後。
「うえええええん! うおおおおおおおん!!」
ベッドに突っ伏すわたし。
ママからこっぴどくしかられたからだ。
「だから言ったんだ。ろくでもないことだって」
「うおおおおん! だっだらもっどづよぐどめでよ~! ……あ、そうだ! お部屋がダメならお外でやればいいんだ! ヨシ、雪丸! 散歩行こうぜー!」
「うわ! 切り替え早! 情緒不安定かよ!」
「立ち直りが早いのはわたしの長所だよ。さあ、そうと決まればレッツゴー!!」




