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誕生!! 魔法少女ジューシーミカン 3
目の前にいるのは人の言葉を喋るワンちゃん。
わたしは尋問する。
「で? あなた、その流暢な日本語はどこで覚えたの?」
「90年代アニメを少々……」
「ほお、お客さん通ですなあ」
「ほんと……あの頃は良かった。って、聞くとこそこじゃねーだろ! まずはオレが何者なのかを聞けよ!」
「あなたの名前は雪丸。わたしのペット。それ以外に何があるっていうの!?」
「それだけじゃねーだろ。いやペットになった覚えもねーけど」
「雪丸については否定しないんだね。いやあ、我ながらこのネーミングセンスを誉めてあげたいよー。で? あなたは何者なの?」
わたしの問い掛けに真っ白もふもふワンちゃんは待ってましたと説明を始めた。
「よくぞ聞いてくれた! オレの本当の名前は――」
話が長いから掻い摘んで言うと、雪丸は元々異世界っていう遠い所で人間(♂)だったんだって。
そこで不意打ちを食らって呪いを浴びちゃったみたい。
っていう辺りまで聞いてわたしは夢の中へ誘われていった。zzz……。