本の魔法使い 4
またもや地団駄を踏む僕ちゃん。
「くそう、また騙しやがったな!」
「なんかごめんね? 問題が難しすぎたよね。1+1は2、赤ちゃんでも分かる問題だったんだけど……」
「もう絶対許さねえ!」
僕ちゃんは足元の本を拾うと、数ページを掴んで引きちぎる。
「な、なんてことを!」
そんなわたしの言葉を無視して、僕ちゃんは呪文のようなものを詠唱する。
するとちぎられたページから黒い炎が噴き出して、ライオンやオオカミなどの猛獣が現れた。
「どうだオレの魔法は! すげえだろ?」
僕ちゃんはふんぞり返る。
「凄くなんてない!」
「なんだと?」
「本を破るなんて許せない!」
「は? 何言ってんだてめえ。本は破る為の物だ。こうやってオレが気持ちよく魔法を使うための道具なんだよ。そう言えばさっきもあいつらに同じことを言われたな」
僕ちゃんが指を差す。その先を見ると……
「――ッ!?」
司書のお姉さんや他の人達が倒れている。
「あいつらうるせーし、しつけーから全員黙らせてやったぜ。さあ、てめえもさっさとくたばんな!!」
猛獣たちがこちらへ襲い掛かって来る――。
わたしはカードを取り出すと……
「変身!!」
魔法少女へ変身した。
変身し終わると、猛獣は既にわたしの鼻先まで迫っていた。
「キャー! 来ないでー!!」
とりあえずステッキを振り回す。でも……
ガブッ!!
「キャー! 腕があああ!!」
ライオンに腕を噛まれた。腕に激痛が走る。
まずいまずいまずい、このままだと腕を食いちぎられちゃう。
「ジューシー柑橘スプラーッシュ!!」
ギャオオオオ!!
咄嗟に出した必殺技で、ライオンがひるんだ。
「今だ!」
わたしは逃げた。
ひとまず身を隠さなくちゃ……。




