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紫の節~浅井と巨大蛍

時間軸は『将軍王のココロザシ~第一部』完結直後で、志の騎士団がグルンガルドからブラーガルドに向かう途中の出来事です。

ここは肘川市。世界塔ブルドラシルからすれば、ブルドラシル外のガルド『アースガルド』の日本の都市の一つである。


さる金曜日、学校帰りの一人の男子高校生は信号待ちをしていた。そんな中、自分と同じ側から服装も現代日本とかけ離れた褐色の肌の外国人らしき少年が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。高校生はすかさず彼を必死で止めた。


「君、赤信号で渡っちゃ駄目じゃないか!」


高校生は少年に赤信号で渡らないように言い放った。


「…すいません…、『アカシンゴウ』って何ですか…?」


少年は高校生に赤信号について尋ねた。


「赤信号は車が通るんだよ。そんな時に渡ったら危険なんだ!」


高校生は少年に車がいっぱい通る道路を指さして伝えた。


「はい…。(何かゴーレムの大行進って感じだな…。)」


少年は頷くも車をゴーレムに例えた。暫くすると車が止まり、信号が青になった。


「今、青信号だから渡っていいよ。」


高校生は少年と一緒に横断歩道を渡った。渡り終えた後、高校生は少年に尋ねた。


「ところで君、誰かとはぐれたのかい?」

「うん…、僕…、皆とアクアポリスに行く途中でジュンシン何とかという女の人が笛を吹いたらこんな知らないとこに迷い込んだんです…。」


少年は迷い込んだ経緯を高校生に話した。


「『アクアポリス』…、『ジュンシン何とか』という女の人…、わかんない言葉だらけだ…。僕は『浅井』、君は…?」


浅井は少年の口から発せられた固有名詞がわからないが、とりあえず自己紹介をし、少年の名前を聞く事にした。


「僕は…、『ロベルト』です…。」


ロベルトの衣服のポケットの中から巨大な蛍が現れた。


「初めまして、浅井のお兄ちゃん。僕は『ホタッテル』。このロベルト兄ちゃんをマスターとする『カムイ』なんだ。」


大きな蛍はホタッテルと名乗った。


「『カムイ』…、北海道のアイヌのカムイか?」


浅井はカムイと聞いて北海道のアイヌの方が浮かんできた。


「『ホッカイドウ』…、『アイヌ』…、僕全然わからないや…。」


ホタッテルも日本の固有名詞に戸惑っていた。


「…全然わかんないのは僕も同じだよ…。…って…、そもそも何で蛍が喋ってんだよ!?」


浅井は蛍が言葉を話す事に狼狽した。


「蛍が喋っちゃ…、いけないの…?」

「いや、いけないんじゃない。ただ…、他の人に気付かれないようにしてくれ。SNS等で拡散されちゃ面倒だからな。」


浅井はホタッテルに他人に気付かれないようにするよう釘を刺した。


「『エスエヌエス』はわからないけど、わかったよ…。」


ホタッテルは頷き、ロベルトのポケットに入った。


「じゃ、一緒に僕の家に帰ろうか。」

「はい…。」


浅井はロベルトとホタッテルを連れて帰宅したのだった。

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