7/10
帰り際セレナーデ
2回目のデート
だんだんと口数が減っていく 帰り際
どんなに楽しい時間を過ごしても
帰る時間が近づくと やっぱり切ない
それでも 「また、今度」の言葉に背中を押されて
私は歩き出す
ふりかえらない ふりかえれない……
もし ふりかえって もうあなたの姿がなかったら
さみしいから
楽しかった今日の思い出の最後が そんな気持ちなのは
かなしいから
あなたは どうなんだろう
私がふりかえるのを 同じように期待している?
今この瞬間 私の背中を見送ってくれているのだろうか
でも臆病な私は それを確かめる勇気が出てこない
だからせめて 胸を張って颯爽と歩いてみる
あなたに少しでも かっこいい後ろ姿を見せられたら……
恋をするとどうして こんなにも気にしてしまうのだろう
今の私は あなたが好きになってくれた 私なのかな
いつもの私だったら……
足をとめて ひとつ呼吸
もしふりかえって あなたの背中が小さくなっていたとしても
その時は 走って 追いかけて 「大好き!」だ!
そんな私の気持ち
どうか その広い心で まるごと抱きしめて