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第8話 ドジっ娘



その四文字がメイシンの背後にて、燦然と輝いている。

しかし、メイシンの顔色は冴えない。究極の奉仕を繰り出して起きながら、先程よりも確率が86.85%にまで低下しているからだ。




ベッドの上に横たわるのはロリノア。

その頭の先からつま先まで、余す事なく奉仕をされたのだ。常人であれば数十回は悶死したであろう。


だが、流石は究極のロリ。究極のメイドによる奉仕を受けながらも、意識は未だに保たれていた。


「想像以上ね…究極のメイドによる奉仕…でも…それが逆に…貴方の敗因となるのよ!」


究極の奉仕を受けながらも、不敵に笑うロリノア。その右手が枕の下に隠してある何かを取り出した。


咄嗟に身構えるメイシン。低下し始めた確率が、更に進行を早めているのだ。警戒しない訳が無い。


そんな警戒心剥き出しのメイシンの前に取り出したのは…一本のバナナ。先程の食事の余りである。


そのたかが一本のバナナを見て、メイシンは青ざめる。マザーコンピューターによる演算能力が、低下している確率の理由を弾き出したからだ。


ロリノアは取り出したバナナの皮をゆっくりと剥き…中身を咥えて、皮はベッドの上へと放り投げた。ただ、それだけである。しかし、それこそが究極のメイドロイドに対するロリノアの秘策であった。





かつてキモオタ星人の間で起きた論争…究極のメイドロイドに、ドジっ娘メイド機能は必要か否か。


究極を目指すのであればドジっ娘要素など不要。しかし、それはドジをしたメイドと御主人様との、折檻と言う名のコミュニケーションが不可能である事を意味する。

長きに渡る論争の果てに、究極のメイドロイドにはドジっ娘機能が搭載となった。そしてそれこそが今回、メイシンの敗因へと繋がるのであった。



不用意に放り投げたバナナの皮。本来であればゴミ箱へと捨てるのがメイドの務め。

しかし、余りにもあからさまに投げ出されたバナナの皮である。メイシンの中にあるドジっ娘メイド機能が本能的に反応。


拾おうとしたバナナの皮でメイシンが勢い良くすっ転び、空中にて弧を描く。見事なまでの転び方だ。

だが、それだけで終わるのでは、真のドジっ娘メイドとは呼べない。

バケツを持ったドジっ娘メイドが転んだら、その水の入ったバケツを頭から被ってこそ、ドジっ娘メイドなのだから。



バナナの皮に転ぶメイシン。そしてバナナの中身を咥えたロリノア。


…それが答えだった。



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