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07 ステーション内・アパレルショップ

 今回はステーション内でお買い物します。

 現実世界ベースなので、特別面白いようなものがあまりありません、ご容赦ください。

 ベース・インタラクティブとの打ち合わせを終えて、現在僕はステーション内をめぐっている。もちろんレミの付き添いで。スマホとか持ってないから案内人がいないと確実に迷う。


 目的はショッピング。僕の持ち物は僕の船にある者だけなので、いろいろと足りていないのだ。だから買い出しである。

 レミに払ってもらうのはちょっと申し訳なく思うし、何より男として女の子に払わせるのはどうかと思ったけど……まあ相手は貴族様だし、ってことで自分を納得させた。


 「まずは生活必需品として衣類ね。ここのお店は安くて庶民向けのアパレルチェーン店で、私もたまに使っているのよ」

 「貴族でも普通に使うの?」

 「ほとんどの貴族は使わないわね。私は高級ブランドが性に合わないから使っているのよ」

 「高級ブランドがどんなものかよく知らないからなんとも言えないね」


 貴族向けの高級ブランド服ねー。無駄に豪華な装飾とかついていたりするんだろうか?


 「買いたいものはかごに入れて。私は私で見てくるから」

 「ん、わかった」


 という訳で、別行動で見ることになった。


 店の中は普通に明るくて衣類がずらっと並べられている。僕の知っている地球のユニ〇ロとかと同じような感じである。そこかしこの広告がホログラム表示にはなっているが。


 で、店に入ってすぐのホログラムは案内表示板になっているらしい。

 タッチ操作できます、と書いてあるのでタッチ……画面を触る感触がないので結構使いにくいけど、店のどこに何があるかの見取り図を表示できた。

 ふむふむ、男性向けはこっちね。


 とりあえず普段着には困らない。というのも、船の中に着替えがある程度入っていたからである。

 まあゲームのアバターが着る服なので、真っ白・真っ黒・灰色、あと紺色もあったかな?


 下着やら靴やら、こまごまとしたものをかごに入れていく。地球と同じような感覚で買い物が出来るっていいね。

 あ、鞄どうしよう。わざわざ鞄で持っていくような荷物とかあるか? と考えるけど、一応肩掛けの小さめのカバンを買う事にする。


 へー、帽子型ホログラム端末なんてあるんだ。上からホログラムが投影されるっていうのは何と言うか、やっぱ宇宙時代なんだなって感心する。でも頭が重い、やめよう。

 ……帽子型水ろ過機? なんだこのびっくりドッキリ帽子は。歩いてたら上から水が垂れてくるとか最悪じゃん。


 あとは念のため、コートとかほしかったんだけど……見当たらない。完全な温度管理がされているステーションや宇宙船では必要ないからラインナップされてないのかな? 今度オンラインで見てみよう。


 さて、必要なものは入れた。結構かごが重くなったから心苦しいけど、レミの元に行こうか。

 ……あれ、レミさん? かごに満タン、さらに両手に服やらスカートやら持ってますけど。まさか全部買うんじゃ……マジ?


 「あら、思ったより早かったわね」

 「男だから、そんなに時間はかからないよ。で、その両手のは」

 「あー、とりあえず持ってるだけ。買うかどうかはまだ決めてない。カゴに入ってるのが買う物よ」


 そ、そうなんだ。もうすでに満タンになっているように見えるけど。

 っていうかしれっと帽子型水ろ過機、はいってるやん。


 「あ、暇ならこれ持っててくれない?」


 そう言って、両手に持っている服たちを僕に押し付けてくるレミ。

 いや、別にいいよ? 女の子の服選びは時間がかかるって知ってるし。それに一見重そうだけど、ここはステーション内。人工重力が弱いのでそこまでの負担ではない。


 そして一つづつ見て行って、そのほとんどを元あったであろう場所に戻していく。

 途中で胸元が大きく開いた服があったけど、レミは自分の胸部装甲を見てしょんぼりしていた。これからの発育に期待である。






 「で、次はどこに行くの?」

 「そうね、とりあえず早急にあなたのスマホかウォッチを買わないとね」


 ウォッチというのはスマートウォッチの事。

 先ほど買った荷物を運ぶときも、一旦分かれて僕の船に集合、来なかったら船から連絡してねーなんていう事になったので早急に通信手段が欲しいのは同意する。

 でも、そういうのってお高いのでは……?


 「高そうだけど、いいの?」

 「まああなたの感覚からするとそうかもしれないけど。一応私も貴族だし、それくらいの余裕はあるわよ?」

 「そっかー貴族かー」


 正直貴族っていわれてもピンとこないし、その金銭感覚がどんなものかもよくわかってないんだけど。

 まあ買ってくれるというのであればありがたく買ってもらおうかな。


 向かった先は、アンティークストア。レミもよく使っているらしい。

 アンティーク社はちょうど地球にいたころの時代のもの、つまり僕やレミにとって見慣れたものを作っているメーカーである。

 性能は桁違いではあるけど。


 「で、どれがいい? 性能が私たちの知ってるスマホとは段違いだから、正直どれを買っても大丈夫だと思うけど」

 「……一番お高いのが気になるけど」


 うん、見てみるとやっぱりハイエンドスマホが欲しくなるよね。

 カメラとか通信能力とか、欲しくなる要素がある。


 「いいわよ? この際サブ機も含めて2つ買っちゃいましょう」

 「え? いや、そこまでは」

 「ついでに連動型のスマートウォッチ、あとハンズフリー通話用にワイヤレスレシーバーもいるわね」

 「こんなポンポン買うんだ……」


 ビックリ、貴族の金銭感覚がすごかった件について。


 いや、だって20万クレジットとかするスマホ2台、さらに万単位するスマートウォッチにレシーバー。さらにケースやフィルムなどのアクセサリーも合わせて50万クレジット程度。


 クレジットを円換算するならアパレルショップを見る限り1クレジット=1円。

 つまり今回50万円相当を僕のためにPONと出してくれることになる。いや、おかしいだろ。日本で手取り10万とか言う給料だった僕としては戦々恐々である。


 「まあ、これでも私はマシな方よ。人によっては1000万クレジットPONと出す人も」

 「次元が違う」

 「慣れなさい、私の側近になるんだから」

 「まじか」


 これ、慣れるのか? いや、そのうち慣れるか……。

 とりあえず今回はありがたく買ってもらおう。

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