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03 貴族様との対面! イメージ崩壊! アレェ同士だった?

 ビイイイィィィィィン……という音とともに、現在スーパークルーズ中。

 スーパークルーズというのは超光速航行モードの一つで、星系内での主要な移動手段である。


 光の速度を超えることができるので、地球の探査機のように年単位の時間はかからない。わずか数分で惑星間航行が可能である。


 ちなみに恒星間航行にはハイパージャンプというものがあるが、こちらはその時になったら解説しよう。


 『まもなく目的地のステーションです。ドロップアウトの準備をお願いします』

 「了解しました」


 と、そろそろ目的地のステーションらしい。

 僕はアシストコンピューターが搭載してあった部分にドローンコントローラーを搭載したので、クルーズの自動制御もできなければドッキング時の自動操縦機能も使えない。

 ほとんどの人は自動操縦を使っていたので、僕のような全部手動でこなす人間は変態扱いされることもままあった。


 ステーションの距離が1Mm(1000Km)を切ったところでボタンを押す。

 するといい感じに、ステーションの10キロ先あたりにドロップアウトした。


 ステーションはなんというか、六角形の柱のような形をしていた。それが回転して、内部に人工重力を発生させている。

 昨日調べたものにあったな、ヘキサ型ステーションだ。全長3キロ、六角形の直径が1キロ。


 『すでに手続きは終えてあります。34番に入港してください』

 「わかりました」


 船のホログラムにも「LANDING PAD 34」と表示される。

 ゲーム時代と違ってはっきり読めるので、迷うことはなさそうである。


 そのまま船を操作して、ランディングパッドに着陸させる。

 この船は中型なので、割と簡単である。大型船だと動きが大味なのはともかく、船体そのものが大きすぎてぶつけやすいから大変なんだよねー。


 『Landing Successful. engine disengage』


 無事に着陸。


 『手動操縦とは珍しいですね、お見事です。

 これより、そちらのランディングパッドに警備ロボットを送ります。今後の予定としましてはデータを送りましたように、まず降下用ドロップポッドに乗っていただき、惑星に降りてレミ・レア様と面会していただきます』


 あー、なんか送られてきていたねデータ。アレを見る限り、どうにも貴族様の面倒事に巻き込まれる気しかしない。

 しかしまあ、ここで放り投げるわけにもいかないし警備ロボットも早速来てしまったので、諦めて行きましょうかね。


 どうしてこうなった……?


 ちなみに警備ロボットはロボットというより探査車両のような見た目をしていた。

 具体的には大きめの……1メートル四方くらいあるかな? というラジコンカーのようなフレームに、銃火器っぽいものや各種センサーが積み込まれていた。自爆装置とか積んでないよね?






 「単刀直入に聞くわね。あなた、地球の人間でしょう?」


 貴族の三女様と面会して、言われた第一声がコレでした。

 いや、どう答えればいいねん。何を言おうと爆弾になりそうな気しかしないんだけど。


 「まあ、答えに困るのも無理ないわね。私も地球からの転生者なのよ。

 星間国家の貴族の三女というおいしい立場なわけだけど、あなたの場合は船一つで異世界転移してしまった、というところかしらね?

 しかも地球ではこの世界のような技術はまだ開発されてなかったから、あなたの主幹としてはゲームの世界に入り込んだ、といったところかしら?」


 やべぇものっそい当たってる。


 「というわけであなた、私のものになりなさい?」


 ……はい? え、どゆこと?

 僕の脳内は大パニック。誰か助けてくださいお願いします何でもしますから。


 「えーと、まあ、はい。そうです、よ? ウン」

 「あ、別にため口でいいわよ。貴族ともなると上下関係のせいで気軽に話せる人がいなくって。というわけで、私のそばにいて話し相手になっていてもらえないかしら?

 ついでだから、今は私が直接指揮をしているAI艦隊の指揮官にもなってくれると嬉しいのだけれど」


 AI艦隊。たしか貴族の間ではあまり快く思われていない存在である。


 AIの反乱というのはフィクションでは定番だったけれど、この世界では実例はないらしい。

 いや人類を滅ぼそうとか、そういう実例がないだけで、待遇改善を求めての離反など細かいことは起きているらしいが。

 そういう事例があるので、あまり人工知能に頼ることはよくない、という風潮があるとか。いや正直人間相手でも変わらんやんって思うが……?

 まあ、目の前の貴族様はあまり気にしてなさそうだけど。


 「条件については、これでどうかしら」


 そう言って、ホログラムを僕の目の前に表示させてくる。

 ここは会議室らしく、テーブルにホログラム装置が付いている。地球の感覚からするとすごい豪華だが、この世界基準では標準装備、というか無いと「何で無いの?」って聞かれるレベルだそうだ。


 見てみると、結構な好条件に見える。

 契約は無期限で、破棄したい場合は応相談。これ逃がす気ないでしょ。

 僕の船の整備・補給費用を負担してくれるほか、僕がAI艦隊司令として着任し、レミの要請により艦隊を動かす。

 報酬もよく、なんなら僕の住居も賃貸でいいなら用意するとのこと。同じ地球人だからって信用されすぎじゃないかね?


 「信用しすぎでは?」

 「そういう言葉が出てくる人なら、大丈夫よ。何よりあなた、私と同じ日本人でしょ? もちろん全員がいい人というわけではないけれど、あなたなら大丈夫だと思ったからよ」


 どうやら、僕はかなり信用されたらしい。信用される要素、今まであったかな?

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