12 唐突なラブコメ
カシャ、カシャとシャッターを切る音が鳴る。
なぜか僕のベッドでぐっすり寝ているレミ。いやぁこの寝顔はなかなかかわいいよね、普段はクールでかっこいい系なのに。
それにしても、なんで僕のベッドで寝てるんだろうね。男の部屋に入るとか、襲われに行くようなものでは? 一応僕も、年頃の健全な男子なんだけどなぁ……キスとかしたい。
「んぅ……ぁえ……?」
あ、起きた。
「おはよう、レミ」
「あーうん、おはーよ……ふあぁ〜」
な、なんだこのかわいいの。寝ぼけた姿もなかなか、ってちょぉ!?
起きるのはいいけど、布団がめくれたら美しい素肌が!? なんで下着姿なのぉ!?
「ふ、服着ないの?」
「んぅー? あー……別にいいかなって」
「僕に見られても?」
「そうね……脱いでほしいなら脱ぐけど」
「えっじゃあ脱いで」
「っ!?」
あ、しまった。つい反射で言ってしまった。
レミもほんとに脱いで、なんて言われるとは思ってなかったらしく、顔を真っ赤にしてフリーズしてしまった。……襲いたい衝動を我慢した僕を誰か褒めてほしい。
……あ、ほんとに脱ごうとしてる。え、まじで脱いでくれるの?
シュル、とブラが地に落ちる。
手ブラの状態で上目遣いで見上げてくる……なにこれエッロ。レミは貧乳だけど、それでもこう、グッとくるものがあるよね。
「み、見せなきゃ……ダメ?」
「あ、えっと。恥ずかしいなら着ていいよ……僕も我慢できなくなりそうだし」
「〜〜〜〜っ!?」
「えっと、じゃあ、向こう向いてるね?」
「え、ええ……」
いや、うん。僕もまさか本当に脱ぐとは思わなかったよね。
にしても、え、脱ぐってことは……僕と、そういう事をしてもいいって事? そういえば前、AIがレミが僕のことを好きな可能性が高いとか言ってたな……。もしかして、このまま押せばヤれた?
「もういいわよ……ごめんなさい、まだ心の準備が」
「あ、心の準備さえできれば襲っていいんだ」
あ、そっぽ向いた。真っ赤になってる横顔かわいい。いや、まだ下着姿だけど下着姿を見られるのはなんとも思わないのね……?
いやほんと、こんなえっちでかわいいとこ見せられたら−−堕ちそう。いや、多分迫られたらOKしちゃうね。
「それで、なんで僕の布団で下着姿になって寝てたのか、聞かせてもらっても?」
「い、いや、それはその……まあ、なんとなく?」
「なんとなくで襲われに来たと」
レミはばっと身体を手で隠した。襲われるとでも思ったのかな?
「そ、それは……ごめんなさいっ!」
あ、走って出ていってしまった。うーん、大胆なことする割には心の準備が追いついていない感じ?
でも、意外な可愛い一面も見れて僕としては満足かなー。しばらくオカズにできそう……下着姿まで撮影できなかったのは残念だけど。
「……ということがあってね」
『そうなんですね、私の想定よりも大胆な行動をされていたようです』
「下着姿?」
『はい、まさか脱いでいるとは思いませんでした。部屋に入る際には服を着ていたようなのですが』
「あれ、じゃあ服がどっかにある……のかな」
僕の部屋のモニターで艦隊制御AIと話していると、まさかの僕の部屋で脱いでいたことが発覚。
いやほんと、唐突に大胆になったよね……布団の下とか? あ、服あった。
「あった……とりあえず洗濯機に突っ込んでおくか」
『匂いを嗅いだりはしないのですか?』
「あー……なんかいい匂いとかするのかな」
興味本位で、ちょっと嗅いでみる。うん、洗剤……いや柔軟剤の匂いかな?
「まあ、服の匂いだね。特別いい匂いというわけでもないと思うけど」
『そうなんですね、それでは報告をしておきます』
「いやちょっと待って!?」
何をナチュラルに報告しようとしてるのこのAIは!? 僕が変態認定されるじゃん!
『冗談です、珍しく慌てた様子が見られました』
「はー、冗談か……AIでもそういうのやるんだ」
『お二人共普段から冷静でいらっしゃいますので、慌てている姿はとても貴重なのです』
「だから慌てた姿を見たかったと? ほんとにAIなの、中身人間だったりしない?」
『人間ではありませんよ』
ウソだぁ、やたらと人間っぽいもん。
誰かとテレビ電話してるって思っても違和感ないもん。
ガチャリ
「ねぇ、ここに私の服――あ、それね」
「ん、返すよ」
レミが入ってきた。ちゃんと服は着ているけど、やっぱりついさっきのことだし思い出しちゃうよねー。
この服の中身、白いすべすべの肌、小ぶりだけど柔らかそうな胸……あっ興奮してきちゃった、いかんいかん。
「わ、私の貧相な身体じゃ、そんなに良くなかったでしょう……?」
あ、僕の視線が体の方に行っているのを気づかれたらしい。
ほんのり頬を赤らめながら視線を泳がせるレミ。これはこれで……
「いや、その、良かった…よ? 肌綺麗だったし、ええっと」
な、なんとも話しにくいな……下手なこと言うとセクハラだろうし、でもレミの身体に興奮したのは事実だし……。
「……」
「……」
僕もレミも、なんと言っていいのか分からず沈黙する。
お互いに立ち尽くしたまま、時間だけが過ぎていく。
「っ、じゃ、じゃあ私、部屋にいるから……!」
最終的に、レミはそう言って走って行ってしまった。羞恥心が限界を超えたのかな?
レミちゃんのおっぱいは小さいです。一応揉める程度にはあるけど、貧乳です。