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11 船の整備は車と同じ?

 「エンジン出力上昇、シールド再展開。レミ、シートベルトした?」

 「大丈夫よー」

 「周囲の安全確認ヨシ、システムチェックヨシ、離陸する」


 周囲に人がいないことを確認し、離陸する。

 こういう時にこの船は周囲の確認がしやすくてありがたいね。


 離陸したらエンジンを吹かし、斜め上を向いて早速スーパークルーズで重力圏を離脱する。


 「こんな場所からクルーズ出来るのね」

 「まあ降りるときは安全のために低速だけど、宇宙に出るだけなら飛ばしても問題ないからね」


 降りる時に地表までスーパークルーズしてたら地表に激突して木っ端微塵である。


 「あと10秒くらいでドロップアウトするよ」

 「うーん速いわね」

 「まあスーパークルーズだし。舌噛まないようにねー」


 という訳で。


 ドオオオォォォォン!


 「通常空間を確認、ドロップアウト成功。前方10キロに巡洋艦。着艦申請」

 『着艦申請を受け付けました。中央中型ドックにどうぞ。おかえりなさい』

 「ただいま」


 艦隊制御AIとは言っても、おかえりって言ってもらえると落ち着くよね。


 「え待って、ドッキングコンピューターは?」

 「ドローンコントローラーと交換したよ」

 「手動なの!?」


 そんなに驚くことかね? ゲーム時代は手動の人もちらほらいたけど。まあ、そのおかげで事故は絶えなかったが。


 「大丈夫、ちゃんと着艦できるから」

 「ああ、私の人生はこれまでなのね」

 「大丈夫って言ったろ」


 そんなに信用ないのか……?

 しかし、僕は一度もぶつけずちゃんと着艦に成功する。見たか、これが僕の実力よ。


 「ちゃんとここ1年は衝突事故とか起こしてないから大丈夫」

 「あ、そうなんだ……ぶつけたことはあるのね」

 「まあ、最初の頃は思ったより船が大きくてね」


 と、話している間に船が動いていく。

 巡洋艦の着艦ポートがエレベーターになっていて、そのまま内部に格納されていく。上が閉じれば内部に空気が充填されて行って、ドック内のインジケーターが緑色になれば船から降りられるようになる。


 「もういいよ、行こうか。あ、カーゴハッチ開けておかないと」


 この船はあと数回物資運搬する予定のため、カーゴハッチを開けて物資搬入できるようにしておかないと。

 なお、物資の搬入出に関しては全自動。作業ロボットが勝手に全て対応してくれるため、僕はカーゴハッチを開放しておくだけでいい。らくちんである。


 「それじゃ、私は重力区画で休んでるわね。あなたはどうする?」

 「船の点検をしたら重力区画に行くよ」


 という訳で、レミは船から出ていき、僕はシステム項目からセルフチェックを実行。うん、こっちでは異常なしみたいだね。

 ところで、この船のセルフチェックって信用してもいいのかね? 地球にいたころは車のコンピューターが全く正常でも、ベアリングが焼き付いていたりとかしたけど。物理故障の検知は流石にできないよね?


 という訳で、調べてみる……というか、聞いてみる。


 「ねぇ、このセルフチェックって信用していいものなの?」

 『はい、一般的なチェックは一通り済ませられますので簡易チェックとしては信用してもいいかと』

 「簡易チェックとしては?」

 『本格的な整備をする場合、船のシステムルームやエンジンルームを開放し点検をする必要があります。大体1年に1回程度が平均的ですが、中には2年や3年に1回という人も居るようです』


 あー、やっぱそうなるんだ。っていうか、話を聞く限り整備は義務化されていないのね。車検みたいなシステムは無いらしい。


 「なるほどわかった、ありがとう。オイル交換とかは?」

 『オイル交換も同じく、整備と同時に1年に1回程度が平均的です』

 「へー」


 やっぱそういう感じかー。ちな、この船の中に転がっていた整備マニュアルによると車のようにいろいろなオイルが使われているらしいけど、交換は1年半に1回とか書いてあった。

 何というか、ほんとに車みたいな感覚で整備すればいいのかね?


 「じゃあとりあえず異常なしだから、今は大丈夫か。僕も重力区画で休もうかな」

 『はい、現在重力区画のあなたの部屋でレミ様が布団に入っているようです』

 「え何してん?」


 何で僕の布団に入ってるのあの子?

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