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1ー3・アタシと6人の王

アタシが幼稚園の頃、アタシは怪我をした一匹の子犬を拾った。

それまで我が儘一つ言わなかったアタシは始めて父さんに我が儘を言ってその子犬を飼う事を許してもらった。

その子犬はとても賢くて大人しくてアタシはその子犬が大好きだった。

でも、ある日その子犬は忽然と姿を消した。

泣きながら町を探して歩くアタシは最後にその子犬を拾った公園に向かいそこで・・・・・・。


「・・・・・・最悪。何で今更あの子の夢を見るかな」

目を覚ましたアタシは自身の頬を濡らす涙を腕で拭うと顔を洗おうとベットから・・・・・・ってあら?此処はどこかしらん?

「見知らぬ天井処か見知らぬ部屋ね」

コンコン。

「はい?」

「失礼します」

キョロキョロと周りを見回しているとノックされたので疑問まじりの許可を出すとドアを開けて一人のメイドさんが入ってきた。

「メイド服だと・・・・・・!?」

「あの、ウズラ様?」

「はっ!・・・・・・いや、何でも無いわ。えっと貴女は?」

「失礼致しました。私ライデル様よりウズラ様の御世話役を拝命致しましたミラーナと申します。侍女となって日は浅いのですがウズラ様と比較的年齢が近い私の方が気が楽だろうとの事です。以後よろしくお願いいたします」

「あ、よろしく」

優雅にお辞儀をするミラーナにアタシも取り敢えず頭を下げる。

「因みに年は15です」

「聞いてないよね?因みにアタシは16」

聞かれてないけどね。

って言うかホントに年近いでやんの。

アタシ、ライデル達に年言ってないんだけど良く分かったな?


その後、ミラーナに様付けを止めさせたアタシはミラーナからライデルが呼んでいる事を聞いて身嗜みーこれでも年頃の乙女ですからーを整えてからミラーナにライデルの待つ執務室へと案内して貰った。

コンコン。

「ライデル?アタシだけど」

『ウズラか。入ってくれ』

「失礼しまーす」

執務室のドアをノックしてライデルから許可を貰ったアタシはドアを開けて執務室へと入る。

執務室の中にはライデルと見知らぬ6人の男女がアタシを待っていた。

「ライデル?なんか用かしら?」

「あぁ、お前を他の王達にしょうか「ああ!やはりうずら様!」ウルフェムの王?」

ライデルの言葉を遮り立ち上がりアタシの名前を呼んだのは6人の王の中で只一人の女王だった。

「ほえ!?」

「お懐かしい!幼き頃の思い出が甦りますわ!」

ウルフェムの女王はアタシに駆け寄るとアタシの手を取りギュッと握りしめる。

アタシの手を取る右手首には小さな銀色の鈴が付いたボロボロの子犬用の赤い首輪が・・・・・・待て。何でアタシはアレを首輪と思った?

それに、あの赤い首輪見た事があるぞ!?

「あの、その手首に着けているそれは・・・・・・」

「小さな頃、うずら様に与えて頂いた物ですわ。覚えていらっしゃいますか?」

・・・・・・やはりそうなのね。

アタシが今までに鈴の付いた赤い首輪をあげたのは一匹だけだ。

ある日突然姿を消した子犬。

そうか。さっきの夢はコレを教えてくれてたのね。

「・・・・・・大きくなったわねルナ。元気してた?」

「はい!」

アタシが名前を呼ぶと目の前の女王はまるで小さな子犬の様に喜んだ。

「・・・・・・あー、感動の再会の最中済まないが他の王を紹介しても良いかな?ウルフェムの王」

「・・・・・・申し訳ありませんティガードの王。つい喜びが先走ってしまいました///」

ルナは顔を赤く染め元居た席に戻った。

「さて、こいつが今回俺達ティガードが保護した異界の迷い人だ。ウズラ、名乗りを」

ライデルに言われアタシは頷くと5人の王達に向かい頭を下げる。

「ライデル王よりご紹介に預りました五月雨うずらと申します。何分礼儀を知らぬ身ですので無礼の程は御容赦お願いいたします」

そう言って頭を上げると何かライデルが目を見開いてアタシを凝視している。

・・・・・・この野郎。アタシがこういった場での礼儀を知らないと思ってたな?

まあ、苦手なんだけどね?

「猫人の王キャディオ・ライオームです。ディルアースにようこそ新たな異界の迷い人よ」

人なつっこそうな笑顔を浮かべた年の頃20代前半くらいの男性がアタシに歓迎の言葉を放つ。

「鳥人の王ホークス・ファルコールだ」

ぶっきらぼうに言い放つのは大体20代後半くらいの男性。

「・・・・・・」

「ウズラ、コイツは虫人の王のヘラクス・カブトラスだ。無口な上に若干人嫌いの気があるのでな。気にせんでやってくれ」

アタシを一瞥して頭を下げた30くらいのおっちゃんの代わりにライデルがおっちゃんの紹介をする。

いや、無口で人嫌いって王として成り立つのだろうか?

「魚人の王アクトス・ウンディアスと申します」

多分6人の王で一番若い十代後半くらいの青年が真面目そうな顔で挨拶をしてくる。

「犬人の女王アミス・ウルフェムです。ですが、うずら様にはルナと呼ばれると嬉しいですわ」

そっか、ルナの本名はアミス・ウルフェムって言うのね。

でも本人から許可貰ったしこれからもルナと呼ぼう。


「ところでさっき、キャディオ様が新たな異界の迷い人って言ってましたけどアタシの他にも迷い人が居るんですか?」

「うん居るよ」

先ほどキャディオがポロっと言った『新たな異界の迷い人』という言葉が気になったアタシは6人の王に質問してみた。すると、ご本人様が答えてくれました。

「此処にいる5人の王達の国にそれぞれ一人ずつ。魔人の国に二人、人族の国に四人居るよ。過去も合わせればかなりの数になる」

「私の国の迷い人は今回連れて来ておりますので後で紹介致しますね?うずら様」

「なんだ?ウルフェムの迷い人も来ていたのか。我が国の迷い人も連れて来ておるぞ」

「・・・・・・」コクコク。

「どうやら、皆考える事は同じだったようだな」

ふむ。どうやら獣人の国の迷い人は皆ティガードに来ているみたい。

申し合わせた風でも無いのに偶然って怖いね~。


この後、アタシは他の国の迷い人に会う事になりその時かなり驚愕する事になるのだが、この時のアタシはまだ知らない事だった。

次回、他の国の5人の迷い人達の登場です。

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