仲間
ガチャッ
鍵を開けると、中も普通の家だった。
玄関を入ってすぐの廊下の先に、扉がある。
その奥から、誰かの声が聞こえる。
「ただいまー。」
飛吉が奥に声をかけると、扉が開いて中から一羽のひよこが出てきた。
ピンク色のひよこだ。飛吉と同じく20㎝くらいの大きさで、パッと見た感じ女の子だと思う。
「おかえり。黄金のミミズは見つかった?……あれ?人間がいる。もしかして、黄金のミミズを食べたひよこなの?」
ピンク色のひよこは珍しそうにこっちを見ながら尋ねた。
「違うぞ。こいつは元から人間だったんだ。黄金のミミズを見つけた近くにいたんだ。ほかの人間にバレると大変だし、ペンタゴンを倒すのを手伝ってくれるんだと。」
「へぇー。まさか私たちを唐揚げにしようとか考えてないよね?」
この国の住人は、唐揚げにされることを一番心配しているらしい。
どっちにしろ、ひよこは唐揚げにはならないんだけどなー。
「大丈夫だよ。私の好物は唐揚げだけど、そんなヒドイことはしないわよ。」
「危ないわね。私の名前は、ひよる。漢字で書くと、陽夜よ。」
「よろしく。陽夜。」
「さあ、奥にはまだ僕たちの仲間がいる。行こう。」
奥に進むと、飛吉、陽夜の他に、二羽のひよこがいた。
一羽は黄緑色の、ちょっとちっちゃい鳥。
もう一羽は、オレンジ色の鳥。
黄緑色のひよこが言った
「やあ。僕は、ひようっていうんだ。妃葉だよ。よく性格が悪いって言われるけど、全然そんなことはないんだ。確かに頭が良くて完璧なんだけど。」
随分性格の悪いひよこもいるものだ。
次にもう一匹のオレンジのひよこが言った
「私の名前はひよりだよ。日和って書くの。よろしくね~。」
私はひよこ界の可愛いレベルが分かんないけど、何となくかわいいと思った。
ちなみに、飛吉の色は黄色だよ。
いきなり道に、赤とか緑のでかいひよこがいたら、びっくりするよね。
「そういえば、あなたの名前は何ていうの?」
日和が尋ねた。
「私の名前は庭鳥吉子。これからよろしくね。」
「とにかく、これから皆で協力して行こう。吉子はこっちの事はわからないと思うから、僕か、陽夜か、妃葉か、日和にきいてくれ。」
「うん。」
私は鳥が苦手な庭鳥吉子。
なぜかひよこと生活するようになった。