三十八
「で、どういう事かな?」
真哉くんこわ〜い!!
「茱希、頭の中でふざけないでくれるかな」
うわ、何故わかった!?
まじで恐いわ...
「うん。わかったからさ、
......コレどうにかしてよ」
ここは幹部室で総長イスに座ってる蓮の
足の間に座らされて後ろから抱き締められてる。
おかげで落ち着かないのなんのって...
一応好きな人だし。
「蓮、離してあげなよ」
「.....。」
無視って!!無視って何!?
こっちは心臓壊れそうだって!!
「離して...」
「離れたいわけ?」
うっ.....そんなんじゃないけど。
「...茱希、もう諦めて。
ねぇ、二人が水心...なんだよね?」
あぅ...ほんとドキドキし過ぎで死ぬ...って
今はそんな事じゃなくて!!
「うん」
「あぁ」
「...そっか」
「.....」
「.....」
「.....」
え、この沈黙なに?
「ねぇねぇ!!茱希達の髪って地毛??」
髪?え、髪?!
「...まあ、うん。てかね、そんだけ?」
「なにが?」
「や、真哉氏による質問という名の尋問」
「え?よく聞こえなかったんだけど...」
笑顔が怖い!!眩し過ぎて怖い!!
「じょ、冗談ですっ」
「そっか」
一生分の冷や汗かいたよ。
てか琉希!!なぜ助けてくれなかった!?
「.....寝てるし」
おやすみタイムでした。
まぁ私が寝れないから一緒に寝てもらってたし
しかたないか。
あ、電話しなきゃね。
「もしもーし刹那??」
《はい》
え、電話の受け答えで"はい"っておかしいよ?
「あのね、蓮達の倉庫まで迎えにこられる?」
《かしこまりました》
ん、よし。ここで寝てたら駄目だしね。
「...なに帰ろうとしてんだよ」
でもね、暑いんだよ。
高校生の男子3人に引っ付かれてみてよ。
死ぬよ?私今その状態だからね?
後ろに蓮、両隣に陸と海斗。
千津は....部屋の隅っこで体操座りしてる。
「琉希寝ちゃったし」
隣のソファーで気持ち良さそうに寝てる。
可愛い...
コンコン
「入れ」
「失礼します。燕尾服の男がきてます」
燕尾服って事は.....
「「刹那!!」」
ん?海斗??仲良さそうだったもんね。
まあ話があってそうなのは真哉だけど。
「通せ」
「はいっ」
...新羅に入るのには顔も基準になってるの?
今の子も結構イケメンだったし。
ガチャ
「お久しぶりですね、蓮」
「チッ...」
え、なぜに舌打ち??
「刹那、琉希を車に運んで」
さすがに私じゃ運べない。
「かしこまりました」
そう言うと軽々と琉希を持ち上げた。
「蓮、帰るから離して」
「嫌だ」
....どうしようもないなぁ
「蓮達も家に来る?」
「あぁ」
蓮達が来るなら今住んでるとこじゃない方が
いいよね。
「刹那、本家に行って」
「はい」
車に乗ってそう指示し、.....寝た。
ーーーーーーーーー......
蓮side
スゥスゥ....
寝てる琉希に引っ付いて寝た茱希。
...なんで琉希なんだよ。
「蓮殺気でちゃってるよぉ〜」
「....うるせぇ」
確かにお互いの想いは伝えた。
でも今はわからない変わってるかもしれない。
「ん......」
茱希が俺より琉希って事はわかってる。
でもそれでも俺だけを見てほしい...
今は戻ってきた事に感謝だけどな。
「着きました」
車から降りると目の前にはでかい家。
...さすが世界No.1。
「お二人を部屋に運ぶので、
どなたか手伝ってください」
琉希を持ち上げた刹那につられて
茱希を横抱きしてた。
「蓮以外の方はその者が案内しますので」
蓮は私に着いてきてくださいと言って
中に入った。
「ここです」
一つの大きな扉の中に入った。
「茱希の部屋?」
「茱希様と琉希様の部屋です」
......二人の部屋ってことか。
「なんで一緒なんだよ」
部屋なんてあり余ってるくせに。
「お二人の要望ですから」
琉希をキングサイズのベッドに寝かせ、
笑いながらいった。
つーかベッドもかよ...
しかたなく茱希を琉希の隣に寝かせた。
「......蓮。今度この二人を悲しませたら...
私“達”は容赦しませんよ」
達?他にもたくさんいるってことか?
「ふふ、この方達にはたくさん味方が
いるってことですよ」
怪しい....笑顔が怪しすぎる...
「.....わかってる」