さんじゅうろく
「「「「......。」」」」
さてこの雰囲気はナニ?
「いいたい事あるなら言えば?」
さっきからモジモジウザい。
え?キャラキツくなったって?
気のせいだよっ☆
「その...二人とも....」
「なんだよ」
ほーら琉希もイライラしてるよ〜
「「ごめんなさい!!」」
「「は?」」
いきなりなんなわけ?
「都ちゃんとの事全然知らないのにっ...
俺等二人を責めて...」
あぁその事?別に...
「「どうでもいい」」
「「へ....?」」海斗&敦
「「え?」」真哉&陸
「は...?」蓮
え、なに?私達が傷付いたとでも??
んなわけないでしょ。
「なんでや...?」
「だって他人の価値観なんて関係無いでしょ」
わかりあえる人がいればいい。
琉希や刹那、ママやパパ。
そういう人がわかっててくれればいい。
「どうして他人なんていうの...?」
可愛いーねぇ海斗は。
「だってそうでしょ?」
甘いんだよ、考えが。
「ま、都から話も聞けたし帰ろっか。
琉希」
「あぁ」
何故か固まってる海斗達を通り過ぎて
帰ろうとした。
パシッ
「ッ......蓮?」
どうして止めるの?離してよ。
触れないで。
私の記憶がない蓮に私の気持ちは虚しいだけ。
だから、お願いだからやめてよっ...
「俺の仲間を傷付けるな」
「おい、蓮!!」
「ちょ...なにいってるの!?」
あぁ....駄目だ。
「っごめんね。もう...関わらないから」
どうしようもなく辛い。
「茱希っ!?嫌だよ!!」
「ごめんね海斗」
どうしようかな。引っ越す?
蓮を見れば苦しくなる。
「茱希...冗談やめて..」
「ごめんね真哉」
もう無理だ。この想いも、全部。
「嘘だよな...茱希」
「信じてくれてありがとう陸」
人をまた好きになれるかな?
蓮以上に好きになる人いるかな?
「嫌やッ!!そんな事言わんといてや...」
「痛いよ、敦」
思いっきり抱きついてくるのは痛いよ。
「残念だよ蓮。お前には期待してたのに」
ふふっ琉希は何を期待してたの?
「茱希を幸せにしてくれるって思ってたのに...
お前にはガッカリだ」
琉希がいれば幸せだよ?
もう他人との幸せはいらない。
「本当にさよならだね。
みんな、バイバイ」
「ヤダ!!!!」
苦しいってば....
高校性の男が二人も抱きついてきたら...
真哉と陸も何気に腕つかんでるし。
「蓮!!俺等は茱希達に傷付けられたなんて
思ってないよ!!俺等が悪いんだよ...?」
海斗、どのみち私は姿を消すつもりだったよ?
だからいいんだよ。
きっぱりフラれた方が気持ちの整理がつく。
「琉希、いこう」
「茱希は...それでいいのか?」
「いいよ」
掴まれてた腕を解いて体を離した。
「さようなら」
そう言ってその場を去った。
蓮以外が呼び止める声を無視して。
「さて、まっちゃんに連絡しよう」
ピリリリ...
《もっしー☆茱希が電話なんて珍しいな》
「うん、お願いがあるの」
《...なんだ?》
さすが。雰囲気が伝わったらしい。
「学校。辞めたいの」
《っはぁ!!?なんだよ急に!!》
「別に。駄目?」
《駄目だ!!》
「はぁ...じゃ、休学って形で」
退学でいいんだけど。
《わかったよ....琉希は?》
「いや、琉希は「俺も」...だそうです」
よく聞こえたね。バイク乗ってんのに。
《わぁーったよ!!じゃあな》
「ん。ありがと」
電話を切ってもうすぐ日が沈む、
オレンジ色の空をみた。
「ーー...綺麗」
自然と呟いた。
「無理すんなよ...茱希」
「わかってるよ」