さーてーつー
蓮side
「茱希を傷つける奴は誰だろうと
許さねぇ。例え、女でもだ」
そう言った琉希はありえない程の殺気。
後ろにいる幸人さんや理事長、刹那も。
あの殺気に琉希達が出ていった後も
暫くフリーズした。
「...ッあの殺気、なんや....?」
全国No.1の幹部や総長が苦しくなる程の物。
「やっぱり、あの双子は不思議ですね...
理事長たちとの関係も....」
“双子”.....?
「双子って誰が...?」
すると、都以外の奴らが哀しそうな顔をして
俯いた。
「ほんとに、茱希を、忘れちゃったの...?」
諒が俯いたまま声をだした。
こいつ等がこんな顔をする程に
俺等にとって大切な女だったのか?
女嫌いなはずの陸までも...
「わりぃ、忘れた...」
だけどあの女の涙を見た時胸が痛んだ。
無性に、抱きしめたくなった。
「あの子は琉希と双子で茱希って言うんだ。
真っ直ぐで、こんな俺等にも笑ってくれて、
俺等にとって大切な人で、
記憶のあった蓮が好きだった子だよ」
最近は笑ってくれないけどね、と
諒は悲しげに付け足した。
俺の、好きだった女....?
都じゃないのは分かる。
こいつが笑っても心が満たされない。
「もう俺等には笑ってくれへんかもなぁ...」
と敦が呟いた。
「何言ってんの!私がいるじゃない!!」
ニッと都が笑って自信満々に答えた。
「お前なんかと茱希を一緒にするな」
陸が都を睨んで椅子からたった。
「陸、どこいくん?」
病室を出ていこうとした陸を引き止めた。
「茱希の所に決まってんだろ」
一瞬、俺を見て去っていった。
蓮sideEND