にじゅうきゅー
あーぁ、ほんとバッカみたい。
結局、同じじゃない?
「あの眼...都を信じきってるな」
理事長室でゴロゴロしながら
琉希と刹那と話していた。
まっちゃんは職員会議かなんかで不在。
「あはっ見た?私を見る眼。
軽蔑してるよ。
あ、刹那はあいつらといてもいいんだよ?」
刹那があいつ等といる事で私達は刹那と
離れようとは思わないしね。
「いえ、私は貴女方と共に」
だけど芽依や都の事は刹那に関係ない。
わざわざ刹那まで離れる必要はないのに。
「ん。なぁー昼飯...」
そういえばもうそんな時間かぁー...
「んじゃ買いに行こー」
3人で理事長室をでて購買へ行った。
そこは相変わらず混んでいて、
パンダ女の集団がいるから蓮達がいるらしい。
その集団に目もくれず並んでいるご飯をみた。
「チョココルネといちごミルクくださーい」
おばさんに注文して袋を受け取った。
琉希と刹那はもう買い終わったようで、
...うん、パンダ女に囲まれてる。
「琉希ー刹那ー置いてっちゃうよー!!」
その集団に向かって声を掛けると
パンダにめっちゃ睨まれた。
「っまてよ茱希!!」
「茱希様っ」
軽くビビってる琉希に
オロオロしてる刹那。
もうめちゃめちゃ笑っちゃうし。
「あはははッ!!やば、お腹痛いしッ」
襟首掴まれて振り返ると蓮がいた。
一気に冷める。
「はぁー何?」
なんかもう超睨まれちゃってる。
「お前なんで笑ってんの?」
はぃ?人の勝手でしょ。
「昔、お前の彼氏が都の事好きになって
それで都を恨んでんだってな?
逆恨みじゃねぇか?それって」
こいつ、何いってんの?
私に彼氏なんかいた事ないし。
彼氏がいたのは都でしょ?
「ーー最低だな」
嘘を吹き込まれて都を信じるんだ?
「私、最低なんだ?
じゃぁその傷心の都でもあんたらで
慰めてあげれば?」
都の話、内容はあってるけど人が違う。
都の彼氏が芽依を好きになったんでしょ?
そして都がどっかの男に芽依を犯させて、
芽依が自殺.....
「本当、なんだな」
聞くまでも無いくせに。
もう、私を軽蔑の眼で見てるじゃん?
後ろにいる、敦達も。
「さぁね」
芽依は琉希が好きだったのに。
琉希も芽依が好きだったのに。
私の大切な人を二人も傷つけて、
許すわけないじゃない。
「サヨナラ。皆大っ嫌い」
腕を掴んでる蓮の手を振り払って、
琉希と刹那の所へいった。
「茱希、様?あの話....」
そうだった。刹那は知らないんだ。
芽依を。都を。
「理事長室で話してあげる」
バタン
理事長室に戻り口を開いた。
「昔ね、芽依って子がいたの。
芽依は私達の親友で、都も親友だった。
私達4人はいつも一緒にいてね、
その中で唯一、都に彼氏がいた。
ある日、その彼氏も一緒に五人で
遊びに行った。そこで、その彼氏が
芽依を好きになった.....
彼氏は芽依が好きだから別れを切りだした。
でも都はそれに怒って3、4人の男に芽依を
襲わせた。芽依はショックで自殺....
私達は都を責めた。でも、都は....
笑ってこう言ったの。
『彼氏を取る芽依が悪い』って。
芽依は琉希が好きだったのに...」
芽依も琉希も好き合ってる事分かってた。
でも私が一人になるから付き合わなかった。
気にしないって言ったのに....
ガチャ
「....やっぱり」
理事長室に入ってきたのは陸だった。
「「え...?」」
「あの女、怪しいと思った」
都に付かなかった陸。
ただ、女嫌いだからだと思ってた。
「なんで蓮にそう言わなかった?
あれじゃぁ肯定してる様なものだ」
どうして私が否定しなきゃいけないの?
「都の話を信じて私達を軽蔑する絆なんて
いらないもの。あの眼、信じきってるし」
流石、女嫌いの陸には女の嘘はわかるらしい。
「....俺は今のあいつ等と行動する
つもりはない。茱希といる」
真剣に話してくる陸に笑いかけて
「いーよ。でもさっきの話は内緒だよ」
「わかった」