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二つのカケラ  作者: 檸檬
28/38

にじゆはち

蓮side




朝、いつも通り登校。

いつも通り幸人さんのHR。

ただ、違ったのは転入生が、来た。



「滝川 都<タキガワミヤコ>です!!

よろしくね」



周りのパンダ女とは違い顔はいいと思う。



「み、やこ.....?」



その転入生に反応した茱希。

琉希も驚いているみたいだった。



「あー!!茱希に琉希っ!久しぶりぃ」



親しい友達の様に話しかけた転入生に対し



「近付くな....」



明らかにトーンの低い琉希の声。

何故?友達なら嬉しいんじゃないのか?



「.....なんで」



茱希も同様、嬉しそうではない。



「ちょっと、幸人、ごめん....」



フラリと教室を出て行く茱希を

不思議に思いながら見ていた。

琉希も席を立って茱希に着いていく。


幸人さんも何故か止めず複雑そうに見ている。



「初めまして!!私、都。よろしく!!」



ぼーっと見ていると転入生、否都がきた。

都は猫なで声をだしたり怖がったりせず

話しかけてきて他の奴らはすぐ打ち解けた。


陸を除いて。



「ねぇ、茱希達どこ行ったんだろ....」



眉を下げて心配そうな面持で都が言った。



「それもそうだね。探しに行こうか」



いつの間にか陸もいなくなっていた。

茱希を探しに行ったんだろう。



「陸みっけ〜」



屋上に行くと陸がフェンスから下を見ていた。



「茱希、見つけた」



陸のいるフェンスから見ると、

中庭に茱希と琉希。



「相変わらずラブラブやなぁ〜

よし!!引き離しに行くでっ!!!」



あいつ等が双子なのは分かってる。

だけど茱希が琉希にしか頼らず、

俺等を頼ってくれないのにイライラする。




「あ、茱希〜ってどないしたん!?」




中庭つくと茱希は一人で、

屋上からは確認出来なかったけど

髪も、全部濡れている。

上に着ているブレザーは琉希の物。




「ちょっと水遊びをね....」


「この寒い日に!?」




明らかな嘘。

茱希だってそこまで馬鹿じゃない。

それに琉希が止めるだろう。




「茱希っ大丈夫??」




心配そうな声をだして都が近付いた。




「触んないでくれる?」




パシッと茱希が都の手を払った。




「なんでっ?私は心配して.....」


「あんたに心配されたくない」




茱希がこんなにも無表情なのは見た事ない。




「茱希酷いよ。都ちゃんは心配してるのに」




海斗が茱希と都の間に入り都を守るように

茱希の方へ向いた。




「私、都が嫌いなの」




それを見て声も機械的になった茱希。




「茱希、言い過ぎだ」




どうしてそこまで都を嫌うのか知らないけど

言い過ぎだと思った。




「近寄んな」




琉希が戻ってきたらしい。




「俺も、都が嫌いだ」




まるでそれが当たり前だと言うように

琉希も言った。




「本人に向かって嫌いなんて最低やで」




それを聞いて泣きだした都を見て

敦も茱希達に言い返した。




「あははっやっぱり、同じね」


「......そうだな」




自嘲気味に笑う茱希とそれに乗る琉希。




「何が?」




何が"同じ"なのか、誰と"同じ"なのか

気になって聞いてみた。




「さぁ?自分で考えれば?」




向けられたのは茱希の冷めた言葉。




「んじゃ、都と仲良くねー♪」


「馬鹿みてぇ.....」




中庭を去って行く二人をただ唖然と見ていた。


ーーーーーーーー


ーーーーー


ーーー

ガラッ


「「.........。」」




次の日教室に入って来た茱希達に挨拶する者は

誰一人といない。




「ねぇ、そこ邪魔」




茱希の席に座っている都と話している

俺たちも同様。


都に向けられた

茱希の冷めた声、表情、眼。




「え〜だってこの席蓮くん達と

話しやすいんだもん。

茱希、席変わってよ」




茱希は俺たちと眼を合わそうとせず、

ただ、都と話している。




「いいよ。てか荷物とりに来ただけ。

学校には来るけどこの教室には来ないし。

勿論、琉希もね」




この言葉で俺たちの空気が変わった。




「なんで!?茱希??琉希??」




多分、ここにいる奴らは茱希が好きだ。

女嫌いの陸までも。.......俺も。

だから正直会えないのはキツイ。




「言ったでしょ?私達、都が嫌いなの。

姿を見るのも声を聞くのも嫌。



その都に騙される馬鹿な人間もね」




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