にじゅーに
今日はパパ達が日本にいる最終日。
今はパーティー会場にいます....
「ふぁ〜...眠い.....」
ほんっと眠いんだけど.....
何故か眠い。
「ほら、そろそろ人が来るわ。」
「琉希から離れるなよ」
誰がくるんだろ....
琉希も私もめんどくて一覧表見てないし。
ザワザワ....
あーぁ、来た来た。
「本日はお招きありがとうございます」
「この方々は神田様のお子様ですか?」
とか。通る人全てに声を掛けられる。
はっきり言って喋りかけないでほしい。
対応がめんどくさい。
「茱希、あっち行こう」
どうやら琉希も同感らしい。
誘いに乗って料理がある方へ行った。
キャァァァァ!!!!
はい!?マジでなんなの!?
学校で聞き飽きてるっつーの!!
ウザくて悲鳴なんざ無視していると、
「神田様?お会いできて光栄です。」
聞いた事のある声。
振り返って見ると.....
「「なんで.......!!!!」」
新羅の皆様でしたーーーーー。
「知ってるもんやと思ってたで?
苗字いったんやから。
神田の子供が知らんっちゅーのが
おかしいねん。」
だってさぁー、興味なかったし。
新羅自体にも。神田の傘下も。
「茱希可愛いー♡琉希もかっこいーねっ!!」
んぎゃぁっ!!!!
海斗くん.....い、痛いです...
バッ....
..........ん??
「蓮サンですよね?離してくんない?」
説明すると、蓮が海斗から引き剥がして
私を抱きしめたと。
引き剥がした意味なくないですか?
「嫌」
え!?なにこれ!?前もあったよねこの会話!!
デジャヴ!?デジャヴなの!?
「蓮が甘えん坊になったー。
なんか可愛いー♡」
なんて言ってると、視線を感じた。
真哉、敦、海斗に群がってるお嬢様方達の
諦めと嫉妬の混じった視線。
神田で良かったって今めっちゃ思ってるよ
一般人だったら殺されそう。
「そういや陸がいないよ?」
蓮の視線の先を見てみると、
一生懸命隠れてる子猫もとい陸がいた。
「うわー、なんかすげー可哀想」
琉希が呟くと、
「俺は可哀想じゃない!!」
って陸が叫んだ。
叫ぶとさ、見つかっちゃうよ?
あ、ほら見つかった。
あちゃー...囲まれちゃったよ。
「さっ触んな!!ぎゃぁ!!!」
泣きそうじゃん。
大っきな瞳に涙いっぱいためちゃって...
「仕方ないなぁー」
蓮はいつのまにか離れていたから
陸の方へ歩いていった。
お嬢様達は私が来ると道を開けて行く
陸の前まで辿りつくと、
「ちょっと我慢してね」
と手を繋いだ。
そのまま歩いて自室へ連れていった。
椅子に座らせて救急箱を持ってきた。
「あーぁ、顔に怪我してるよ。
動かないでね」
治療が終わって離れようとすると、
「離れないで......」
陸はそう言って私を抱きしめた。
え.......!?まっ待ってよ!!!!
陸って女嫌いじゃぁ.....
「陸.....?私、女だよ?」
「いーの。茱希はいいの」
えっ、心開いてくれたかんじ!?
てか可愛いすぎじゃない?この子!!
ほんとに子猫に見えてきた......!!
「ふふっ、そっか。ありがとう。
みんなのとこに戻ろ?」
私の膝で頭をコロコロしてる陸に言うと
「女.......また来る」
そんな心配はいらなーい!!!!
「大丈夫。私といれば寄ってこないよ。
手、繋いでていいから。ね?」
手を差し出すとぎゅっと握ってきた。
「よし。行こっか」
会場に戻ると案の定誰も寄ってこない。
にこっと陸に笑いかけると、
安心したのか、表情が柔らかくなった。
「おーぃ!!茱希、心配、し......た..で?」
なぜ最後疑問系なの?敦くんやい。
「わー!!陸が手繋いでるぅー!!!!」
海斗、可愛いけどうるさいよ。
真哉はびっくりしてるし、
蓮は不機嫌だし.....琉希は固まってる?
「カイ、煩い」
陸って海斗の事カイって呼ぶんだー!!
初めて知った......!!
「どうやって手懐けたんですかね。」
黒い...!!真っ黒だ!!!!
真哉じゃないし手懐けたとかやめてほしい
「べつにー、なんもしてませんけど?」