表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PARTNER  作者: 橘。
7/104

第1話 君と出会う 5.邂逅

 

 学校の前で聖と別れ、岬はいつも通り家へと真っ直ぐ向かっている。頭の中は、聖が教えてくれたパートナーのことでいっぱいだった。


(私の・・・・パートナー・・・・。)


 一体誰なのだろう。聖はおそらく動物だといっていた。動物。一口にそう言っても地球上にはたくさんの動物がいる。人間に近いところで生活している動物もいれば、人を食料の対象にする動物だっている。


(何だか不安になってきた。)


 何故だろう。聖君と話していた時はこれほどの不安、恐さを感じることは無かったのに。そんな感情よりの先に、驚きが来ていたからであろうか。

 その時、どこからか小さな鳴き声が突然岬の耳に飛び込んできた。なぜか、自分でも分からないままに岬は足を止める。


「ニャーっ。」


 猫の鳴き声だ。どこから聞こえるんだろうと振り返る。すると岬の足元に一匹の小さな子猫がちょこんと座っていた。

 その猫はじっと岬の方を見ている。

 人気の無い路地。いるのは岬とその猫だけ。その場に“あの声”が響く。


『ミ・・サ・キ・・?』


 目を丸くしたまま、岬はその声に答える。


「君が・・・・・・。」


 岬はやさしくゆっくりとした動作で、その子猫を抱き上げる。その猫の目は右が金色、そして左目は・・・・銀色をしている。

 その猫の目を見つめながら、岬は呟くように声を漏らした。


「私の・・・パートナー?」


 岬はこの時気付いていなかった。自分の左目も、その子猫と同じ銀色に変化していることに。

 岬の質問に、猫は長い鳴き声を上げて答えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ