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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

湧き出る思考の狂気と

空虚に広がる寂しさと

作者: 庚午澪

 結局、僕は死ねない。

 死んでもおかしくない理由が出来ようと、強く殺して欲しいと願おうと死ねずに生きている。

 どんどん頭の整理と気持ちの整理がついて冷静になり、やっと死ねると歓喜した高揚も今はもう感じられない。

 今はどこを探しても狂気の影は見当たらず、残ったのはどんなに何をしても叶わないという空虚ばかりが存在した。

 手段を選ばずに死んでもおかしくない理由を作った結果、殺して欲しいという渇望の他に好きな人の笑顔を失ってしまう。

 もちろん想定していなかった訳ではないけれど、予想以上に好きな人を泣かせた事に動揺してしまっている。

 誰かに殺して欲しいけれど、叶うなら好きな人に憎まれて殺されたいと願ってもいたのに、今は徐々に胸の空虚に寂しさが立ち込めだす。

 今は不安と許してくれた好きな人への後ろめたさに押し潰されそうになる。

 これで好きな人に好きと伝えるチャンスを永遠に失った。

 今は無理でも好きな人の笑顔を向けられても、本当に笑わせてられているか疑ってしまうと思う。

 寂しさばかりが今は占めて、これなら早くに死んでしまえばよかったと後悔する。

 死にたいと願っていた切願していた痛みと違って、好きな人が浮かべた表情を思い出すと切ない痛みが胸に走る。

 どうせ僕には抱きしめたり幸せに出来ない人だとしても……

 今はゆっくり眠りたい。

 死んでもおかしくない理由を手にしてから、ずっと眠ったか起きていたか分からない眠りばかりが続いていた。

 緊張の糸が切れた様に、だんだんと思考が出来なくなり、瞼が重くなっていく。

 次、僕が目を覚ましても状況に変化はないけれど……

 ただひたすら今は眠り……たい。

 睡魔……が、僕を……襲う……

 頭が空になり……身体も……もう動きたくないと言っている……周りも静かになって……心……が眠るのが……分かる。

 僕が、薄れて……消え、てく感じに……小さく息が漏れ、ふっと……温かさに包まれ…………心地よさに、まどろみ………………僕が無くなる………………………………

 おやすみと唇を動かして。

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