私は貴女を裏切ってしまった
(*≧∀≦)
親代わりとして、私は愛する悪魔と共に貴女達三兄妹を慈しみ育てました。
兄である魔王と勇者はいつも貴女を取り合いし、貴女は太陽のように笑う。
血の繋がりはないけれど、性別を持たない天使である私は貴女達に癒され親の役割を果たせて嬉しかった。
年頃となり、貴女のデビュタントの準備で忙しく動いていたあの日。
聞き覚えのある女の声を最後に私は意識を失った。
目覚めたら、愛しい娘である貴女は自害していて、大魔王と大勇者になっていた息子達は同士討ちで死んでいた。
あの子達の仲間も相討ちで死んでいて、私は夫の悪魔と共に絶望することしか出来なかった。
少しずつ記憶を思いだし、私達は三人を仲間と共に追放して人間国の国王と手を組み、従わない者達を皆殺しにしようとした。
娘は国王に誘拐させ、人質にすることで息子達を闘わせた。
悲しくて娘は国王の剣を奪うと自害し、息子達も後を追って刺し違えた。
全てを思い出した私は、国王を殺すと夫と刺し違えて命を絶つ。
死んだ筈でも、私達は一度あの黒い女神に呪いを受けたからか……生身と変わらないノーライフキングとなって転生を繰り返す娘を見守ることしか出来なかった。
今宵もまた、神聖王国は娘を守るために動く。
二度と失わないために。
(*´艸`*)