第二話:閻魔 決断
天空宮殿ヴァルハラへと辿り着いた閻魔大王の使者トゥルダクはオーディンと会談していた。
「トゥルダクよ、確かに閻魔殿はエインヘリャルの準備が整ったとおっしゃったのだな?」
「はい~~」
トゥルダクはおどけた感じで返事をした。
オーディンは近くにいたバルキリーにこう命じた。
「バルキリー、話の通りだ。至急ヘブンズゲートを開きエインヘリャルを召喚せよ!!」
「了解しました。オーディン様。」
「トゥルダク殿よ閻魔殿に礼を言っておいてくれ。帰るときには途中までラタトスクを同行させよう。」
それに対しトゥルダクは真剣にこう言った。
「オーディン様、お気をつけ下さい。ルシファーはおそらくヴァルハラの神をも誘惑してくるでしょう。特にロキ様を……なんてね~~~~~」
「心配するな。ロキはあれでも私の義兄弟だ。ところでロキが死界の奥深くに封印した暗黒女神ヘルの様子はどうだ?」
今度はオーディンが深刻そうな顔をしていった。
「まあ大丈夫だろうが…」
と続けた。
一方、閻魔殿では……
「煉獄で動きがあったか。魔王の覚醒を止めることが出来るのはあの男しかいないが……
そのための器が今ここには存在しない。だから魂だけを蘇らせる訳にはいかん。オーディン殿の返事次第ではあの方法を使えばいけるが………魂と体が拒絶反応を起こさぬだろうか。」
閻魔大王が一人でそう呟いていた。
「エインヘリャルの中にあの男を。」
「了解いたしました閻魔様。」
(始まりの存在……それを蘇らせる必要があると閻魔様は判断なさられたか。この牛魔がご期待にお応えいたします。)