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111-2

 だが、蓄積しているだけなら浄化できる。

 俺は魔書『オーレオール』の魔力を借りて浄化の魔法を唱えた。

 まばゆい光が大樹を包み、光が収まると、大樹に残っていた邪悪な魔力を完全に消滅していた。


「ありがとうございます。あなたがたのおかげ私たち妖精は救われました」


 大妖精がぺこりとおじぎした。


「これくらい大したことありませんわ。ですわよね、アッシュ」

「大したこと、だったんだが……。とにかくなんとかなったよかった」

「大妖精さま! アッシュくんたちすごいんですよっ。ヘビ人間たちをベキッ、ボコッ、って次々とやっつけちゃってさ!」


 ニーナはこぶしをぶんぶん振り回して、身振り手振りで俺たちの活躍を語った。

 それはともかくとして、少々言いにくいことを言わなくてはならない。


「大妖精。聖杖アルカレイドのことなんだが……」

「わかっています。約束ですからね。聖杖アルカレイドをあなたがたにお貸しいたします」

「ありがとう。もともとは人間が奪ったものなのに……」

「それは昔の者たちのやったこと。今を生きるあなたがたではありませんから」


 大妖精がやさしい人でよかった。

 グラヴィル伯爵から話を聞いたときは、だいぶ事態がこじれるかと懸念していた。

 結果的にサルヴァークというわかりやすい敵が現れてくれたのは幸運だった。


 こうして俺たちは大妖精から聖杖アルカレイドを正式に貸してもらったのだった。

 これで再びオード領は杖の聖なる力で守護される。


「やりましたね、アッシュさま」

「みんなのおかげだ。ありがとう、プリシラ」

「いえいえ、これもメイドのたしなみですので」


 謙遜しつつもプリシラはくすぐったそうに笑っていた。


「アッシュくんたちっていつもこんな感じで人助けしているの?」

「はいっ。アッシュさまはとても勇敢でお優しい方なので、困っている人がいたら絶対に救いの手を差し伸べるのです。まさに勇者さまなのですっ」


 プリシラ、すごく誇らしげだ。

 ちょっとほめすぎじゃないか……。

 照れくさいな。


「将来のお嫁さんとして、わたしもがんばりますねっ」


 平然とそう言う。

 そこにすかさずマリアが割り込んでくる。


「わたくしも婚約者として鼻が高いですわ」

「むむむっ。マリアさま!」

「ワシの未来の夫にふさわしい活躍ぶりじゃな」


 おまけにスセリまで乱入してきた。


「ぜ、全員アッシュくんのお嫁さんだったんだね……」


 ニーナはとまどっていた。


「と、ところで大妖精。これを機会に人間と交流をはじめたらどうだ?」

「森から出るということですか?」

「ああ。近くに住む者どうしなんだから、仲良くするに越したことはないと思うんだが」

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