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95-7

 ためしに他のボタンを押してみたところ、法則が判明した。

 押したボタンを中心に上下左右が光る。

 すでに光っていた部分は光が消える。


 その法則から、俺はある結論を見出した。

 これは暗号の入力装置ではない。

 パズルだ。


「アッシュ、なにをしておるのじゃ」

「まあ、見ててくれ」


 ボタンを押して光をつけたり消したりしていく。

 そうしていくうちに――できた。

 9つのボタンすべてに光が灯った。


 すると、目の前の機械仕掛けの扉がゆっくりと開きだした。


「すごいです、アッシュさま! ぜんぶのボタンに光をつけましたっ」

「ほう、これはパズルを解くことで開く扉だったのじゃな」

「よくわかりましたわね、アッシュ」

「なんとなく、ぴんときたんだ」


 これで先へ進めるようになった。

 俺たちは扉の向こうへと進んだ。


 広い部屋へと入る。

 三方の壁には『モニター』というらしい、ガラスの板がいくつも設置されていて、俺たちにはよくわからない文字や数値、図形が表示されていた。


 最も注目すべきは部屋の中央。

 部屋の中央には台座があり、抱えて持てるくらいの大きさの『たまご』が置いてあった。

 たまごはガラスのフタで保護されている。


「なんのたまごでしょうか」

「魔物かもしれぬぞ」


 いろんな方向からたまごを観察する。

 見た目は鳥類のたまご。

 特に変わったところは見当たらない。


 とはいえ、たまごは意味深に中央の台に置いてあり、ガラスで保護されている。

 しかも、この部屋に誰も入ってこれなかったということは、旧人類の時代からこのたまごはここにあったということになる。


 孵化したらなにが生まれてくるのだろう。

 興味がわかないわけがない。

 だが、ガラスのフタで覆われているから持ち出せない。


「どうします?」

「ギルドに帰ってブレイクさんに報告しよう」

「地図も描けましたからね」


 いったん引き返そうとした――そのとき、ガラスのフタが魔法のように儚く消えた。


「ガラスが消えちゃいました!」

「魔法だったらしいの」


 そっと台座のたまごを持ち上げる。

 結構重い。


「持ち帰りますの?」

「保護するガラスがなくなったら魔物に食べられるかもしれない」


 俺たちは遺跡の奥で発見したたまごをギルドに持ち帰ったのだった。



 ヴォルクヒルのギルド長、ブレイクさんは興味深げにたまごを観察する。


「一見したところ、なんの変哲もないたまごだけど、置いてある場所からしてなにかしら重要なものなのかもしれないね」

「調べてもらえますか?」

「ヴォルクヒルの研究所に送ってみるよ。そこで調査をしてもらおう」

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