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95-5

「見事な連携なのじゃ」

「わたくしとアッシュにかかればたやすいものですわ」


 不意打ちが見事に決まって無傷で魔物を倒せた。

 先へ進むと階下へ続く階段があった。


 階段を下りる。

 降りた先には分岐。


「ここは右へ進んでください」


 プリシラの指示に従って右の道を進む。

 しばらく進むと、天井が崩落していて道がふさがってしまっていた。


「はわわっ、これじゃ地図を描き換えないといけませんっ」

「さっきの分岐に戻って左に行ってみるか」

「左からでも階下への階段に行けますが、少し遠いですね。機械人形もいるみたいです」

「では、機械人形を討伐して左を正規の順路として描き換えるのじゃな」

「そうですね」


 いったん分岐まで引き返して左の通路を進む。


「次の曲がり角の先に機械人形がいるみたいです」


 そっと曲がり角からのぞくと、プリシラの言うとおり、機械人形がいた。

 今度は人型の機械人形だ。手に銃を持っている。

 旧人類が健在だったころは警備の任務があったのか、一定の速度で決まった道を巡回している。


「さっきと同じだ。俺が魔法で先制攻撃する」

「頼みましたわよ」


 俺は曲がり角から飛び出たのと同時に魔法を放った。


「雷よ!」


 かざした手から幾重にも折れ曲がる稲妻が走る。

 機械は雷に弱い。これをくらえば機械人形も一撃で倒せる。

 ……と思ったのが浅はかだった。


 雷が機械人形に到達した瞬間、機械人形の表面に光の膜が現れて雷をはじいた。

 魔法障壁!? 油断した!

 機械人形がこちらを向き、銃口を向けてくる。


「防げ!」


 魔法を唱える。

 こちらも魔法障壁を発生させて銃撃を防いだ。


「てやーっ」


 なんと、マリアが機械人形に飛び蹴りをかました。

 吹っ飛ばされる機械人形。

 壁に叩きつけられて崩れ落ちる。


 俺は金属召喚で大きなカナヅチを呼び出す。

 それを手に取る――って、重い!

 ふらつきながらもそれを構えて走り、機械人形の頭に叩きつけた。


 振り下ろされたカナヅチは魔法障壁を叩き割り、そのまま機械人形の頭を粉砕した。

 機械人形は機能停止した。


「ふーっ」


 危ないところだった。

 まさか薄い魔法障壁を展開していたなんて。


「はしたないところを見せてしまいましたわね」


 せき払いするマリア。

 いや、かっこよかったぞ。


「アッシュよ。浮気をしたらあの蹴りがおぬしの腹に飛んでくるのじゃぞ。ゆめ覚悟せい」


 スセリが耳打ちしてくる。

 あの蹴りをくらったらひとたまりもないだろう。

 それから通路を進むと再び階下への階段に到達した。


「ちょっと待ってくださいね」


 プリシラが地図をがんばって描いている。

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