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91-2

 16枚の石板は4枚4列でぴたりとはまった。

 ……が、それだけだった。

 台座に石板をはめてしばらく待つも、なにも起きなかった。


 ぴたりとはまることから、石板と台座は無関係ではないはず。

 だとしたら、ほかにやることがあるのだろう。

 あるいはなにかしらの手順を間違ったか。


 村長からどんな仕掛けがあるのかあらかじめ聞いておくべきだった。

 それならこの仕掛けもたやすく突破できたのに。


「うーん……」

「うーん……です」

「うーん……ですわ」

「三人そろってうんうん唸るでない」


 スセリはひざを曲げて屈み、じっと石板を見ている。

 目を細めて真剣に観察している。


「スセリ。なにかわかったか?」

「この石板、模様があるのじゃ」


 俺もスセリの隣に並んで石板に目を凝らす。

 たしかによく見ると、いずれの石板にもうっすらと白い模様が描かれていた。

 経年で色が消えかかっていたから、てっきり汚れかと思った。


「なんの模様じゃろうな」

「……」

「アッシュ、おぬしはわかるか?」

「もしかするとこれはパズルなんじゃないか?」


 石板を一枚見ただけではなにを描いているのかはわからない。

 だが、すべての石板を正しい位置にはめてみるとどうだろう。

 一枚の絵が完成するのではないか。


「石板を正しく並べ直し、絵を完成させたら扉が開くというのじゃな」

「それしか考えられない」

「うむ。やってみるのじゃ。プリシラ」

「うーん……です」

「いつまで唸っておるのじゃ。力持ちのおぬしの出番なのじゃ。石板を並べ替えるがよい」


 スセリの指示によって各石板の模様の線と線がつながるように並べていく。

 そうするとだんだん絵が完成していき、全体像が見えてくる。

 そうなると作業は加速度的にはかどり、やがて石板の模様は一枚の絵になった。


「あ、これってさっきのゴーレムの絵ですね」


 つなぎ合わされた16枚の石板に描かれていたのは、腕を振り上げるゴーレムだった。


「扉が開きますわ!」


 ズズズズ……と、石を引きずるような音を立てながら扉がゆっくりと開いていく。


「これで先に進めるのじゃ」

「やりましたね、アッシュさまっ」

「またお手柄ですわね、アッシュ」

「スセリが模様に気付いてくれたからさ」

「ま、容易いのじゃ」


 扉をくぐって通路をしばらく進むと、次は階段があった。

 先が暗くて見ない、長くて急こう配の階段だ。

 おそらく、この先に大地の神が祀られているのだろう。


「うへー、見るだけでうんざりしてきたのじゃ」

「きっとこの先に大地の神がいますのよ。がんばりますわよ」

「おぶって差し上げましょうか? スセリさま」

「こいつを甘やかすな……」

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