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59-7

 それからどうにか俺とプリシラは橋を渡り終えた。


「それにしても気になりますわ。悪魔ベズエルを封印するための場所にどうして水路があるのかしら」


 マリアが疑問を口にする。

 それは俺も疑問に思っていた。

 なんの意味もなく水路を作ったとは考えづらい。


「それはこの異世界を創った者にしかわからないでしょう」


 通路を進むと下り階段にさしかかり、それを降りると水路に沿った道が現れる。

 ドドドドド……と豪快な音を立てながら水が流れる水路を横目に歩く。

 しばらくすると、大きな扉の前にたどり着いた。


「強い魔力を感じます」

「うむ」

「ですわね」


 この先に四魔の一体、悪魔ベズエルがいる。

 そう確信できるほどの強大な魔力だ。


 プリシラはロッドを、マリアは魔法で生み出した魔法の剣を、フーガさんは魔杖ガーデットを構える。

 俺は扉に手をかけ、慎重に開いた。


 扉の先の広間は以前と似た光景だった。

 硬質の黒い皮膚の悪魔――ベズエルが四肢を鎖で縛られている。

 手足が二本ずつある人間の姿だが、極めて筋肉質で、成人男性の二回りは大きい。


「グオオオオオッ!」


 俺たちに吠える。

 手足を激しく動かし、鎖がじゃらじゃらとやかましく鳴る。

 プリシラが俺の背中に隠れる。


「こ、こわいです……」

「今のところ、封印されて身動きがとれんようなのじゃ」


 スセリは平気なようすだが、正直なところ俺も悪魔ベズエルに恐怖を感じていた。

 どう猛な頭部。

 人間の骨など一撃で噛み砕けるであろう、牙の生えそろったアゴ。

 理性を失った獣の眼。

 まさに悪魔と呼ぶにふさわしい形相だ。


「フーガ。とっとやるのじゃ」

「わかりました」


 フーガさんが魔杖ガーデットを垂直に立て、目を閉じて念じる。

 杖の輪郭が光りだす。

 それに呼応するかのように悪魔ベズエルも青白く光りだす。


 可視化された魔力が悪魔ベズエルから魔杖ガーデットに流れていく。

 それに抗おうと悪魔ベズエルが暴れ出す。


 フーガさんを攻撃しようと腕を振りかざす。

 鎖がピンと張りつめ、振り下ろせない。

 ――かと思いきや、


「フーガさん!」


 危機を察知した俺はフーガさんを突き飛ばした。

 次の瞬間、悪魔ベズエルを封じていた右手首の鎖がちぎれ、振りかざしていた腕が振り下ろされた。

 悪魔の拳が先ほどまでフーガさんがいたところに打ちつけられ、魔杖ガーデットを巻き込んで床を粉砕した。


 間一髪だった……。

 だが、魔杖ガーデットはまっぷたつに折れてしまった。

 これでは悪魔ベズエルを無力化できない。


「いかん! ベズエルの封印が解かれるのじゃ!」

「アッシュ!」

「アッシュさまっ」

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