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56-7

 休憩を終えた俺たちは迷宮探索を再開した。

 細長い廊下が延々と続く。

 自分たちが今、屋敷のどのあたりにいるのかなんてとっくにわからなくなっている。


 魔法によって歪められた屋敷。

 どうしてそんなことをする必要があるのかは、この迷宮を突破しなければわからないだろう。


「扉です!」


 プリシラが前方を指さした。

 探索をはじめてからようやく景色に変化が見られた。

 扉を発見したのだ。


 意味もなく扉があるはずはない。

 この先にはなにかがある。

 プリシラはロッドを、マリアは魔法の剣を手にする。

 そして俺が扉に手を触れ、ゆっくりと押して開けた。


 扉の先は縦に長い大部屋だった。

 声が反響するほどに広い。

 部屋の反対側には奥へと続く扉がある。


「いよいよ現れましたわね」


 俺たちの行く手を一体の魔物が阻んでいた。

 その姿は書物。

 そいつは本にしては異様に大きく、プリシラの背丈くらいの大きさで、しかも空中を浮遊していた。

 表紙には眼球が一つあり、俺たちを凝視していた。


「書物型の魔物なのじゃ。非生物型ということは、人の手で生み出されたものじゃろう」

「この屋敷の元の持ち主――オストヴィントが生み出したのか?」

「おそらくそうなのじゃ。よほどこの先を見られたくないらしいのう」


 書物型の魔物が発光する。

 俺はすかさず防護の魔法を唱え、魔法障壁を出した。

 魔物から無数の針が連射され、障壁に次々と突き刺さった。


「覚悟なさい!」


 マリアが魔法の剣を両手で握り、躍り出る。

 再び魔物が光る。

 すると今度はすさまじい突風が発生し、接近を試みたマリアを木の葉のように吹き飛ばした。

 飛んできたマリアを抱きとめる。


「近づけないのなら、遠くから攻撃するまでですわ!」


 マリアは俺から離れると、攻撃魔法を唱えた。

 かざした手から光の矢が射出される。

 しかしそれも魔物が展開した障壁に防がれてしまった。

 プリシラの獣耳がしゅんと垂れる。


「はうう……。近づくのも無理で魔法も通じないなんて……。どうしましょうアッシュさま」


 俺はしばし考える。

 そして、こう提案した。


「片方ずつがだめだとしら、同時ならどうだ?」


 魔法と武器による同時攻撃。

 魔物が突風と障壁のどちらかしか出せなのなら、いずれかの攻撃が届く。


「俺とスセリが魔法で攻撃するから、プリシラとマリアは接近して武器で攻撃してくれ」

「承知しましたわ」

「がんばりますっ」

「しかたないのじゃ」


 俺とスセリが魔法を唱え、光の矢を放つ。

 それと同時にプリシラとマリアが魔物に向かって走った。

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