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55-3

 プリシラと文通しているエルリオーネ家のミューも元気だと手紙で知っているし、ガルディア家の次期当主ディアからも平穏無事に暮らしているという旨の手紙がこの前届いた。ノノさんと暮らしはじめたネネからは音沙汰は無いが、仲良く元気に暮らしていることだろう。


「文通? あの半獣、手紙を書いてるのか?」

「ああ。友達のミューとな」

「いいこと考えたっ。アタシたちも文通するぞ! 面白そうだっ」


 いきなりセヴリーヌがそう提案してきた。

 俺はくすりと笑う。


「俺たちはこうやっていつでもおしゃべりできるだろ」

「でも文通したいんだ。するぞ」


 目をキラキラさせているセヴリーヌ。

 そんなふうにせがまれたら断れない。


「ふふっ。しかたないな。文通、俺たちもしてみるか」

「端末にはな、『メール』っていう文章を他の端末に送る機能があるんだ。それで文通するぞ」


 そんな便利な機能があるのか。


「ためしに今からアタシがメールを送るからな」


 通話が切れる。

 しばらく待っていると、再び端末がやかましく鳴りだした。

 通話を再開する。

 眉間にシワをよせるセヴリーヌの顔が画面に映った。


「ダメだ! メールで打ち込める文字、ぜんぶ古代文字だ! これじゃアッシュが読めないぞ!」

「古代人の道具だから、そりゃそうだな……」


 というわけで、結局俺とセヴリーヌは普通に手紙を書いて文通することになった。


「アッシュ。手紙ってどこに売ってるんだ?」

「郵便局や雑貨屋だな」

「手紙を書いた後ってどうすればいいんだ?」

「切手を貼って郵便ポストに入れるんだ」

「ふーん。郵便ポストに入れれば送り先に転移されるんだな」


 なんだか勘違いしているようだ……。


「まずはアタシから手紙を送るから、それを読んだらアッシュが返事を書くんだぞ」

「わかった。楽しみに待ってるからな」

「えへへっ。じゃあなっ」


 俺とセヴリーヌの通話はそこで終わった。

 その直後、部屋の扉がノックされる。


「アッシュさま、朝食の時間になりました」


 扉を開けると、かわいらしい笑顔のプリシラが立っていた。


「アッシュさま、おはようございますっ」

「おはよう、プリシラ」

「お部屋の中からアッシュさまの声が聞こえたのですが、なにをしていらしたのですか?」

「えーっと、セヴリーヌとおしゃべりしてたんだ」

「セヴリーヌさま!?」


 意外な人の名前が出てきてきょとんとするプリシラ。

 当然の反応だな。

 俺は端末の通話機能と、セヴリーヌが端末を手に入れたことを説明する。


「それでセヴリーヌさまとお話しができるようになったんですね。古代人の道具って便利ですね」

「あとでプリシラもセヴリーヌと通話してみるか?」

「はいっ。セヴリーヌさまと久しぶりにお話しがしたいですっ」

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