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42-7

 俺とミューは今のところ順調に克己の試練をこなせていた。

 あとどれくらい試練は続くのだろう。

 試練のための遺跡だから、必ず終わりはあるだろうが。


 通路をしばらく歩いていると、左側に小さな部屋があった。

 小さな部屋にはソファーが置かれていて、その正面には確か『テレビ』と呼ばれている機械が壁にかかっていた。


「つかれたー」


 ミューがそううったえてくる。

 ここなら休憩できそうだな。

 俺とミューはソファーに腰を下ろした。

 ギィ、とソファ内部のバネがきしむ音を立てる。


「楽しいねー」

「た、楽しいのか……?」

「うん。パズルで遊んだりー、ぴょんぴょん跳んだりー」


 この少女にかかれば、試練も楽しい遊びでしかないらしい。

 これはこれで頼もしいな。

 遺跡の外で父親が心配していることなどつゆも知らないのだろう。


「あれなんだろー?」


 ミューが部屋に設置してある機械に興味を示す。

 縦長の赤い機械だ。

 機械の上部にはガラス越しに円筒型の物体が並べられており、下部には取り出し口らしきものがあった。


「おもしろーい。いろんなのがあるー」


 円筒形の物体には、それぞれいろんな柄と文字が描かれている。


「アッシュー。これなにー?」

「さあ、俺にもわからないな」


 古代人の遺物に詳しい人ならわかるかもしれないが、俺にはさっぱりだった。


「えいっ」


 ミューが手を伸ばし、いくつも並ぶスイッチのうちの一つを押した。

 ガコンッ。

 下部の取り出し口から円筒形の物体が出てきた。

 ミューがそれを手に取る。


「あつっ」


 びくりとしたミューが円筒形の物体を落とした。


「だいじょうぶか!?」

「あついー」


 ミューの指が赤くなっている。

 やけどしたのか。

 俺は治癒魔法を唱えてミューのやけどを治療した。


 それから床に転がった円筒形の物体を慎重に手に取る。

 円筒形の物体は金属でできているらしい。

 そして熱を帯びていた。


 熱を持った金属の物体……。

 なにに使うんだ? これ。


 柄と文字が描かれた側面はつるつるしている。

 底には指をひっかけられる部分がある。


「アッシュー。かしてー」


 熱が冷めてきたので、円筒形の物体をミューに渡した。

 ミューは指をひっかけられる部分に指をかけ、上に引っ張った。


 カシャ。

 という音がして、円筒形の物体の上部が開いた。

 物体の中から湯気と、甘い香りが立ち上ってくる。

 この甘い香り、もしかして――。


「おいしいー」

「飲んでる!?」


 液体が入っていたのか!?

 ミューは円筒形の物体に口をつけて、中身に入っているものを飲んでいた。


「ミュー! そんな得体のしれないものを飲んだら――」

「これ、ココアー」

「……え?」

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