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3-7

 ガードマシンを全滅させたかどうか確かめるため、俺とプリシラとスセリは遺跡の入り口に入った。

 遺跡に入ってすぐのだだっ広い空間はしんと静まり返っており、動く存在の気配はなかった。


「機械人形はすべて撃破したようじゃの」

「やりましたね、アッシュさま」


 しかもプリシラのおかげでほとんど傷のついていないガードマシンも手に入った。

 依頼人の依頼をすべて満たしたため、報酬と実績が倍になる。

 上出来だ。


 さて、残った問題は帰り道だ。

 捕獲したガードマシンを持って冒険者ギルドまで帰る必要があるが、こいつ、かなり重い。持って帰るのは困難だ。


 他の冒険者に助けを求めようか。

 ……いや、そうすると報酬を多少なりとも分配しなくてはならない。

 どうにか自力で持ち帰る方法を考えよう。


「なにを黙っておるのじゃ、アッシュよ」

「倒したガードマシンを冒険者ギルドまで持って帰る方法を考えてたんだ」

「そんなことか。それなら転移魔法を使えばよかろう」

「あっ、そうか!」


 御者を強盗から助けたときの転移魔法か!

 俺は片手に『オーレオール』を抱え、もう片方の手をガードマシンにかざす。


「対象を転移させたい場所を思い浮かべるのじゃぞ」


 スセリの助言に従って、冒険者ギルドのようすを思い浮かべる。

 そしてその光景が明確な絵になると、俺は呪文を唱えた。


「転移せよ!」


 途端、ガードマシンの姿が光の粒子となって霧散し、消滅した。


「消えちゃいました!」


 プリシラが目をしばたたかせる。


「失敗したのか……?」

「いんや、成功じゃ。今頃、冒険者ギルドに転移されておるわい」

「さすがです、アッシュさまっ」


 なら、あとは俺たちがギルドに帰るだけか。


「なあ、スセリ。俺たちも転移魔法でギルドに帰ることはできないのか?」

「できるといえば、できるのじゃ」


 俺の質問に対し、意味深な返答をするスセリ。


「ただの、転移魔法というのは、対象の物体をいったん消滅させ、転送先の場所でそれを再構成するという理論でできておる。つまり、じゃ」

「つまり?」

「実質、その場で死んで、別の場所で生き返らせるという意味に等しいのじゃ」


 なんだそれ!?

 そんなおっかない魔法だったのか、今の!

 既に御者のアーサーに使ってしまったのだが、だいじょうぶだったのだろうか……。


「それでも転移魔法を使うかの?」


 俺とプリシラは激しく首を横に振った。



 そういうわけで俺たちは徒歩で冒険者ギルドまで帰ってきたのであった。

 ギルドにはしっかりとガードマシンが届いており、俺たちは無事、報酬を倍額受け取ることができた。


「それにしても驚きました。いきなりギルドにガードマシンが現れたんですから」


 受付嬢がそう言っていた。

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