表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

162/838

23-7

 スセリが廊下の先を指さす。


「セヴリーヌが行ってしまったのじゃ」

「なっ!?」


 気が付くと、セヴリーヌが俺たちを置いて先に行ってしまっていた。

 彼女の姿が曲がり角の向こうに消える。

 俺たちは慌ててセヴリーヌを追いかけた。


 セヴリーヌを追いかけた先は、大きな広間になっていた。

 社交パーティーをするような場所だ。

 セヴリーヌはシャンデリアの真下――広間の中心に立っていた。


「勝手に先に行くなんて危険だぞ」

「お前らがくだらん話を延々してるからだろ」


 そう言われては反論できなかった。

 俺たちは周囲をきょろきょろと見渡す。


 ようやく迷路が終わったが、ここにもなにもない雰囲気だ。

 なにかがあるのはあの『扉』の先だろう。

 広間の奥には、ひときわ大きな扉があった。


 セヴリーヌが扉に近寄って押したり引いたりしてみる。

 扉はびくともしない。

 いらだちをあらわにしたセヴリーヌは足で扉を蹴りだした。

 ガンガンガンッ、と何度も。

 ら、乱暴な奴だ……。

 でも、小さな少女がいくら蹴ったところで扉が蹴破れることはなかった。


 ついにセヴリーヌは扉から距離を取り、ステッキをかざした。

 そして叫んだ。


「吹き飛べ!」


 ステッキの先端から光線が発射され、扉に直撃する。

 派手な爆発。

 俺たちは腕で顔をかばい、爆風を防ぐ。

 髪と服を暴れさせる激しい爆風が駆け抜けた。


 爆発が収まってゆっくりと腕を下げる。

 セヴリーヌの魔法を受けたというのに扉は傷ひとつついていなかった。

 普通の扉なら木っ端みじんになるはずの威力だったのに。


 どうやら力押しでどうにかなるものではないらしい。

 これだけ強力な扉で封じられているということは、この先には間違いなくなにかがある。


「アッシュさま。この扉、カギ穴がありますっ」

「おぬしの召喚術の出番じゃな」

「これ、開けていいのか?」

「いいから開けろッ」


 このままでは俺までセヴリーヌの魔法の餌食になりそうだったので、素直に従うことにした。

 ――頭の中で描く。カギの姿を。

 ぼやけた姿が鮮明になったとき、俺は魔法を唱えた。


「来たれ」


 俺の手のひらの上に小さな魔法円が出現し、そこから小さなカギが現れた。

 カギを扉のカギ穴にさす。

 そしてゆっくりカギを回すと手ごたえがあり、ガチャリと音がした。


「開きましたっ」

「すごいですわ、アッシュ。どうやってこの扉の鍵を呼び出しましたの?」

「それが、俺にもよくわからないんだよな」


 頭の中で漠然とした『カギ』を思い描くと、なぜか扉に合致するカギが現れる。どうしてそうなるのか、俺もよくわからないまま使っているのである。

 原理はわからないが、扉は開いてくれた。


「それじゃ、開けるぞ」


 俺は扉をゆっくりと押す。

 ギィ……。

 あれほど頑丈だった扉は、少し力を入れただけでかんたんに開いた。


 扉の先にはなにがあるのか。

 俺は慎重に扉を開けた。


 扉の先も広い空間になっていた。

 そしてその中心には、巨大な怪物が鎖につながれていた。

【読者の皆様へのお願い】



『小説家になろう』の機能

『ブックマークに追加』と☆での評価をしていただけるとうれしいです。



現時点で構いませんので


ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価をお願いいたします。


執筆活動の大きな励みになります。



よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ