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21-7

 ツノの少女は俺とすれ違い、精霊竜の足元まで行く。


「命のやり取りを恐れる者に『オーレオール』を持つ資格はありません」


 彼女はそう精霊竜に意見した。

 精霊竜がなにか言おうとしたそのとき、精霊竜とツノの少女の姿がぼやけだした。


「夢の世界に干渉できるのもここまでですね」


 白いもやが濃くなり、彼女たちを覆い隠していく。

 やっぱりここは夢の中だったのか。


「アッシュよ。あなたにはこれから幾たびもの試練が待っています。それはすべてを呑み込む激しい荒波……。しかし、それに挫けず、前へと進むのです。そしていつか私たちの下へ来て……せいれ……しょう……のです」


 言葉の途中で精霊竜の姿がゆがみ、声が途切れ途切れになる。

 そしてとうとう精霊竜とツノの姿が白い世界に溶け込んで消えてしまった。


 俺は白い世界に取り残される。

 白いもやがどんどん濃くなり、俺を包んでいく。

 とうとう自分の姿が見えなくなるまで白いもやは白い世界を覆ってしまった。


 そして世界が白から黒へと変わった。

 それは夢の世界から現実世界へと切り替わった瞬間だった。

 俺はベッドの上で目を覚ました。


 上体を起こし、周囲を見回す。

 誰もいない、自分の部屋。

 窓にはカーテンがかかっているが、夜なのがわかる。

 時計に目をやると、時刻は日付が変わった直後だった。


 なんだったんだ、今の夢は……。

 精霊竜と、ツノを生やした大剣の少女。

 ただの夢ではないのは間違いない。

 おそらく彼女たちは俺の意識の中に入り込んできたんだ。


 スセリなら彼女たちを知っているかもしれない。

 俺は自分の部屋を出て、スセリが泊っている部屋へと赴いた。

 しかし、彼女の部屋の扉をいくらノックしても反応がない。

 熟睡しているのだろうか。

 試しにドアノブを回してみると、カギがかかっていなかった。


「スセリ、入るぞ」


 扉を開けると、部屋はもぬけの殻だった。

 部屋の外にいる……?

 スセリの部屋を後にする。

 すると、廊下の窓から見えるバルコニーに人が立っているのに気づいた。

 スセリとセヴリーヌだった。


 上の階に上がり、バルコニーに行く。

 バルコニーの扉は開いていて、スセリとセヴリーヌの会話が聞こえてきた。

 俺は少し離れた位置から彼女たちの会話に耳を傾けた。


「――というわけで、アッシュには精霊剣承をさせるつもりなのじゃ」

「あいつに? できるのか?」

「ワシはできると思っておるぞ」

「精霊界にはどうやって行くつもりだよ。この世界と精霊界をつなぐ扉は結界で封じられてるんだぞ」

「『オーレオール』の力で結界を解くのじゃ」

「どうなっても知らないぞ」

「いずれ誰かがやらねばならんのじゃ。今はただ、迫りくる災厄の日を先延ばしにしているにすぎんからの」

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