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ブタになる王子様シリーズ

ブタにはなりたくない王子様

Side 王子 


俺はアラン、とある国の第1王子だ。

この王家の男には、呪いが代々かかっている。



婚約者に惚れ合うとブタになってしまうという恐ろしい呪いだ。


まあ呪いを解くのは愛してくれている人のキスなのだが、俺にそんな人は居ない。


婚約者のキャシーとは、あくまで政略結婚であるため恋などは存在していない。

キャシーは王妃教育も優秀にこなしているし、ブロンドヘアー、くっきりとした目、

婚約者でなければ、とっくに惚れてしまうだろう。


だが惚れるわけにはいかない、惚れさせてもいけない。

俺はブタには、なりたくないのだ。


この呪いの文言の通りであれば、「惚れ合う」というのがキーなのであろう。

つまり、こちらが惚れたとしても向こうが嫌っていれば問題ないと思う。


俺は婚約者との出会いの場で嫌われることを心に誓った。


その日から、普段よりパンを1枚多めに食べるなど、体形を崩れるように努力もした。

多少、体がガッチリしたような気もするが、これも嫌われるため仕方のない事だ。

メイドたちからは、


「アラン様は、食いしん坊さんですね。」


と微笑ましく見られていたのも、記憶から消したい。

だが俺は、体形を崩すことで嫌われるという目標に向かって頑張っていた。


時は少し流れ。


貴族の子どもは、年頃になると王立学院に通わなければならない。

入学して1年目から今後の事にそなえ、俺は生徒会に属さなければならない。

婚約者もまた、補佐するために生徒会に属さなければならなかった。


今までは好かれないように、婚約者を避けながら過ごしてきたのに大誤算であった。

そんなこんなで、婚約者と協力して仕事をする機会が自ずと増えていった。


「アラン様、生徒からのお茶会のサロン部屋の予約の件ですが。」

「あぁ、そのことなら既に副会長に任せている。」


「アラン様、騎士団長の息子と魔法兵長の息子の派閥の争いが。」

「それも、もう副会長に任せている。」


など、事務的な会話だけをする俺とキャシー。


すでにお互いに笑い合うというような感情はすでに消えている。

これならば呪いが発動しそうにないなと俺は油断していた。


それにしてもキャシーは、今日の顔色が良くないよう見える。


「ふー。仕事は一息ついた。キャシーは早めに帰ってもらっても構わない。」


「・・・分かりました。」


そう言ってキャシーは帰ろうとするが、少し足元がふらつく。

あ、危ない。

倒れそうになるキャシーを、なんとか抱きとめる。


「も、申し訳ありません。貧血で。」


まずい。キャシーも心なしか頬が赤い。

嫌われないとまずい。


「ふん。倒れるように忙しいなら、生徒会を辞めてもらっても構わないんだぞ。」


「い、いえ。そのようなことは、殿下の手を煩わせて申し訳ありません。

少し季節の変わり目でしたので。失礼します。」


支離滅裂で、若干いつもと雰囲気が違ったが何かあったのだろうか。

真っ赤だった顔も、少し青ざめてキャシーは帰っていた。

キャシーに嫌われないといけないと思うと、少し心苦しい。





数週間後


帰りを急いでいると、キャシーに近づく覆面をした男たちが居た。

俺はキャシーが抑えられかけたところで、男たちに蹴りかかった。


「暴漢ども、俺の婚約者に何をしている。」


「くっ。見つかったか。早く始末しろ。」


暴漢どもはナイフを懐から取り出した。


「3人がかりか。まあ良い。」


俺は足元に落ちていた、木の棒を取り暴漢どもと戦った。

暴漢のナイフが、脇腹に当たりかける。

でもな、木の棒の方が長いのに気づかないとは、暴漢たちも素人だな。


俺は、一人の後頭部を殴ると一人目が沈んだ。


がん。がん。がん。


しばらくすると暴漢どもが3名ほど倒れている。

キャシーが俺の方へ駆け寄ってくる。


「アラン様。助けていただいてありがとうございます。」


キャシーは俺を抱きしめる。

キャシーは頬を赤く染め上げている。

えっ、まずい。可愛い。



ボワン。


「ぴぎ?」


ブタになっている。


「ぴぎーーーーーーーーーーーーー」


「え。アラン様がブタに。まさかお互いに惚れ合ったから。アラン様。私のこと好きだったんだ。」



「ぴぎーーーーーーーーーーーーー」

「ぴぎーーーーーーーーーーーーー」

「ぴぎーーーーーーーーーーーーー」


俺はブタになった恥ずかしさと、キャシーに恋心がバレてしまった

恥ずかしさでのたうち回ってしまった。


「アラン様、大丈夫ですよ。呪いを解くにはキスが必要です。」



ちゅ。



ぼわわーん。


気づくと、俺は元の人間になっていた。


俺は、今までの素直になれなかった事を謝りながらキャシーを抱きしめて・・・



キスをした。










Side キャシー


私はキャシー、公爵令嬢でありアラン様の

婚約者であり。



転生者です。生徒会で、コケかけたときに記憶が戻りました。


この世界は、

「続ブタの王子とキスをしよう。」

ブオキス続の愛称で親しまれていた、乙女ゲーが元になっています。


ブオキスでは、<婚約者以外に恋する>とブタになる呪いだったが、ブオキス続では前作の国とは違うの王国の話で、<婚約者に恋する>とブタになる王子の物語だった。

もちろん、私は王子ではなかったが好きか嫌いかで言えば普通だった。


キャシーの記憶があるので、王子との出会いから語りたいと思います。




王子との出会いは王城で、婚約者として会いました。


第1印象は、キレイな瞳とかわいいと思えていた。

でも好きになるまでは至ってなかった。

その後、何回かお茶会に誘っていただいたり、普通の政略結婚の相手という雰囲気だった。


学院に入学した時から、殿下の様子がおかしくなった。

生徒会で一緒に雑務を片付けるだけなのに、私への罵倒というか、扱いがあからさまに悪くなったの。


まあ記憶を取り戻した今なら、その時は惚れさせないためにアランも必死だったってのは分かるけど、生徒会メンバーを全員女の子にしたのは、やりすぎだと思う。

でもそれはシナリオライターのせいだと思うし、殿下は最推しではなかったので別に良いと思うことにした。

太りかけの殿下には期待しないわ。


コケかけて記憶が戻った時には、キャシーと私の記憶が混ざって少し混乱していたけど。

別に問題なかったわ。


そして私のお小遣いで雇った暴漢の事件のときに、トラブルがあったの。

吊り橋効果なのかしら、殿下が一番愛おしく思えてきちゃった。

本当は、暴漢を引き渡す騎士の中にいるはずのCV付きで良い立ち絵のモブが

私の最推しだったから会えるのを期待してたのに、殿下の立ち回りに心を奪われてしまった。


頬は赤くなるし、なんだか暑いし。

ついつい熱気にやられて、殿下をいじめたくなっちゃった。


「え。アラン様がブタに。まさかお互いに惚れ合ったから。

アラン様。私のこと好きだったんだ。」


「ぴぎーーーーーーーーーーーーー」


転げまわりながら、叫ぶアラン様もまた尊かったの。


キスで解呪とかベタな展開だけど、

カッコいい殿下に戻すためなら、それも構わなかったの。


ブタから戻るとやせるってスチルだから、多少の事には目をつぶってブタにキスをしました。

戻りたての殿下は、すごく良い。


そういえば、この後、もう1回キスだったわね。緊張しちゃう。


「キャシー、今まですまなかった。俺は君を・・・」


ちゅ。


見た目も良くなって、そのCVは反則だと思います。

私はセリフを言い終わるの聞く前に、殿下にキスをした。


今日から、アランは私の最推しです。










隣の国の男爵令嬢モモが公爵家の家宝の魔王封印のツボを壊しに来るけど、

転生者の私はツボを厳重に守れるから返り討ちにブタに変化させて反省させるのは、

また別のお話。



/**********/


あとがきのコーナー


ご覧いただきありがとうございます。

京安藤しーぷです。


王子ブタになるシリーズ

シリーズ3作目


誤植してすいません。


でもまあ、この作品思いついたんで良いことにしてください。



もしもこの小説が面白かったなー

また読みたいなと思う方がいらっしゃいましたら。


評価の★を押していただけると

作品を作る、テンションが上がると思います。


また何かお気づきの事がありましたら、

感想等お送りください。


あとがきまで読んでいただき、

ありがとうございました。


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