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Extra World Online~眼鏡の力で雑魚剣士は突き進む~  作者: 古河楓
STAGE:01 剣士と眼鏡
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#005 報酬は眼鏡!?

ついに、ついに眼鏡が出てきた!

目の前に「mission clear」の文字。最後の一撃は、ほんの少しだけ、かすかに私の方が早かった。


「はは…やった…!」


私は地面に寝ころんだままガッツポーズをする。HPは残り半分を切っている。ポーションはあと1本しか残っていないことが、この戦いの激しさを物語っている。


レベルは今のでレベル20になった。


「ステータスポイントはSTRとHPに半分ずつ振るとして…そろそろ起きて中身を見よう…」


先ほどから、私の横には1つの宝箱がおいてある。これがダンジョン攻略の報酬なのだろう。

私は体を起こして、宝箱の前に進む。


「いざ、オープン!」


ワクワクする心を抑えながら、宝箱を開いてみる。人生初の宝箱解放。いったい、何が入っているのだろうか。


宝箱を開けた瞬間、中から眩い光があふれだす。そして、その光が収まった時、宝箱の中にあったものとは…。


「なにこれ…」


とある箱だった。その箱は、多分人生で一度は見たことのあるモノ。学校の宿泊行事でクラスメートの1人は必ず持っているモノ。

それは…。


「眼鏡ケース…?」


そう、中にあったのは眼鏡ケースだった。


  〇 〇 〇


いつまでもボスの部屋にいるわけにもいかなかったので、私は魔法陣に乗って町に戻ってきた。どこか落ち着ける場所がないかと思い、街を歩くと、公園があったので、私はそこに行き、ベンチに腰を下ろす。


「う~ん…この眼鏡ケースがゆっきーが言ってたレア装備?とてもそうとは思えないんどなぁ…」


だって、眼鏡ケースなんて眼鏡を収納する以外に何の役にも立たないもの。せいぜい、投擲用具にしか…。


「と、とりあえず開けて効果とかも見てみよう…」


私は気を取り直して、眼鏡ケースを開けてみる。

…その眼鏡ケースには、1つの眼鏡が入っていた。レンズが丸く、大きい。もしかして…これって…。


「丸眼鏡!?」


眼鏡は眼鏡でも、つけている人を見かけたことのない丸眼鏡とは…。せめて普通の眼鏡にしてほしかった。パーティ用の変なのよりはマシだけど。


「と、とりあえず能力を確認してみよう」


またまた気を取り直して丸眼鏡の能力を見てみる。


・丸眼鏡

装備ボーナス:INT+10

スキル:【メガレクター】、【レンズレーダー】


【メガレクター】:特定の魔法・ブレスを威力を1.5倍にして弾き返す。弾き返す魔法・ブレスの威力が高いほど耐久値が減少。

【メガネレーダー】:使用時、半径10m以内にいるモンスター、プレイヤーの位置を表示する。また、超低確率で幻影魔法の効果を打ち消す。(打ち消し効果はスキル使用者にのみ影響する)


「これは…!」


言ってしまうと、非常に微妙だと思う。最初期でカウンタースキルが手に入り、探知スキルも手に入るから儲けものだけど、結構微妙な気がする。


「そして、眼鏡ケースの方は何かあるのかな…」


そう思い、眼鏡ケースを選択して、その能力を見てみる。


・無限の眼鏡ケース

スキル【眼鏡自動修復】、【眼鏡無限収納】、【眼鏡覚醒】、【破壊不能】


【眼鏡自動修復】:眼鏡ケースに入れた眼鏡の耐久値を5分で最大値の1割を回復。同時に修復できるのは5つまで。

【眼鏡無限収納】:眼鏡を無限に収納・瞬時換装を可能にする。

【眼鏡覚醒】:眼鏡を【装備品】として使用・能力を使用可能にする。


「え…と、つまり、これがあるから、この丸眼鏡の能力を使えるってことかな…」


私はよくよく考える。眼鏡は装備品枠を使わない、単純なアバターのおしゃれ装備だったはず。能力もクソも関係なかった。

でも、この丸眼鏡にはちゃんと装備ボーナスもあるし、スキルもついている。それを引き出しているのは…この眼鏡ケース?


眼鏡ケースはアイテム欄に入れているだけで使用可能だから、便利。そして、せっかくの装備なのだから、使わない手はない…!


「まずは、どんなスキルなのかを試してみよう…」


そう決めた私は、再び森の中に入っていった。


  〇 〇 〇


ごめんなさいすいません!微妙とか言ってほんっとうにごめんなさい!

すっごい使いやすかった!とっても使いやすかった!なにこれ、チート装備かなにかですか!?


【メガネレーダー】は連続使用が可能で、森の中にいるモンスターが丸わかりで、レベリングに相性ピッタリ。モンスターの種類なんかも教えてくれる。

次に【メガレクター】。今のところ弾き返せたのは火属性魔法と光属性魔法。おそらく“光”に関係するものを弾き返せるのだろう。

耐久値が減少したときは、眼鏡ケースに入れるだけで回復するし…。私、しばらくこの装備を外すことができないかも…。


「そうだ…【メガレクター】って、あのメガネザルのビームを弾き返せるのかな…」


そう思い立った私は、再びダンジョンの中に入っていく。今度はポーションを2つだけ持ってきた。


一階の階段の前で私は【メガネレーダー】を使用する。すると、敵の反応が。やはりスライムのようだ。


「え…と、これは地道に倒すしかないから」


私は眼鏡をはずし、さっきやったみたいに、スライムを1体ずつ相手取り、素早く倒す。

一度戦ったこともあったため、あっさりと倒すことができた。


それを確認してから、再び例のスイッチを押し、ボス部屋まで真っ逆さま。今度はちゃんと着地しようと思ったが、尻もちをついてしまった。


「じゃ、さっさと倒しちゃおっかな…」


私は再び森の中を進んでいき、唯の広場に一直線。再びメガネザルと対峙する。


目が合ったと同時に、メガネザルはその両目に光を宿し始める。それを見た私は、すぐにあのスキルを発動する。


「【メガレクター】!」


発動したと同時に、目の前に不可視の透明なレンズのようなものが現れる。そこに、メガネザルの目ビームは吸い込まれていき。

…はじき返された。


弾き返されたビームは、メガネザルが放ったビームよりも勢いよく、撃った張本人に向かっていき、爆発を起こしながら着弾する。


「え…」


私でも予期しなかった超火力。こっちは耐久値が3%低下しただけ。直撃を受けたメガネザルはHPバーが7割も抉れていた。


「すごい…この眼鏡…やっぱすごい!」


近くの果実を食べるメガネザル。3割ほどHPを回復させてから、再びビームの発射態勢に入る。

それを私は余裕を十二分にもってスキルを使う。


「【メガレクター】!」


その見えないレンズは、再びメガネザルのビームを飲み込み、その光の奔流をメガネザルに浴びせかける。


その猛攻を受けたメガネザルは、たった2発でその命を散らせた。



ご観覧ありがとうございました。

ご感想・ご要望、誤字脱字報告、ブクマ、レビュー、評価、よろしくお願いいたします。


私のもう一方の作品、PC部員の異世界転移珍道中~器用〇〇なオタクは無双する~のキャラ人気投票をツイッターで行っております。ぜひ、投票してみてください!


次の更新は12月18日(金)の午前7時を予定しております。

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