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Extra World Online~眼鏡の力で雑魚剣士は突き進む~  作者: 古河楓
STAGE:01 剣士と眼鏡
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#004 ボス攻略!

ドアを開けた奥にあったのは、ジャングルのような場所だった。まるでマダガスカル島の森のような風景だ。


「ど、どこにボスがいるんだろ…」


私は盾を構えながら辺りを探る。しかし、ボスの姿は確認できない。絶対にどこかにいるはずなんだけど…。


どこかに潜んでいるのではないかと考えた私は、ジャングルを進んでボスの姿を探す。

ところどころに果実がなっているのは、何かのギミックなのか、アイテムなのか…。


そんなことを考えていると、少し開けた場所に出た。周りには果実が結構なっており、リンゴのようなものも含まれている。


「やっぱり…いない…?」


私は不安になって辺りを見回してみる。やはりなにも…なにも…。


いや、一匹だけいた。いつの間にか、私の背後には60cmほどの体調のお猿さんがいた。目がでかい…メガネザルだろうか。かわいい…。


その可愛さに惑わされて、私が近づいた瞬間、メガネザルの目の部分が光った。


「え…?」


私は反射的にシールドを構えて防御態勢をとる。

そして、次の瞬間、メガネザルの両目からビームが発射されて、それはシールドに直撃した。


「うわわわ…」


いきなりの攻撃にびっくりした私は、すぐに距離を取って状況を整理する。

…ここはボスの部屋で、メガネザルがいて、いきなり目からビームを撃ってきて…。

ということは!


「あ、やっぱりHPバーがある!このサルがボスモンスターなんだ!」


やっとボスを見つけたはいいが、今のビームをあと何回絶えれるか怪しい。ここは慎重に行くとしよう。


「【スラッシュ】!」


ひとまず、遠距離攻撃スキルの【スラッシュ】で攻撃する。それはしっかりとメガネザルに命中する。今の一撃で、ちょっとだけだがHPバーが減ったことを確認できた。


「やった!じゃあ、どんどん行くよ!」


私は一気に距離をつめて近接戦に持ち込まんとする。メガネザルはそれを見て目からビームを打ち出してくるが、私はそれを避けて、あるいはシールドで防いでメガネザルに接近する。


「やあああ!」


気合の一声とともに振り下ろした一撃は、確かにメガネザルに命中する。今のでHPバーが残り9割まで減っている。


入れ替わりに、メガネザルはまたその目を光らせて、ビームを撃つ体制に入っていた。

私はそれをしゃがんで回避し、今度はスキルを使う。


「【フレイムソード】!」


今度は炎をまとわせた剣がメガネザルの胴体に一閃。一気にHPバーが1割吹っ飛ぶ。意外と耐久力はないみたいだ。


「だったら、一気に決めちゃお!【パワーブレイド】!」


再びビームの一撃を避けた私は勢いよく剣を振り下ろす。与えるダメージがでかい【パワーブレイド】のおかげで、HPバーがあっという間に6割まで削ることができら。


ここで、行動パターンが変化した。今まで動かなかったメガネザルは動き出して、木の幹から幹へ、枝から枝へと移動していく。


「【スラッシュ】!」


私はついに移動するだろう場所を予測して、【スラッシュ】を使って、攻撃していく。

しっかり命中したのは2発だけ。HPバーは残り5割。


そして、とある木についたメガネザルはなっていた果実を食べ始める。すると、メガネザルのHPが徐々に回復しだした。


「え…。あの果実って、最初に排除しとかなかったらまずかったの…?」


せっかく削ったHPが徐々に回復していってしまい、HPが7割半まで戻ってしまった。


「もう!ボスの回復は昔っからダメって言ってるじゃん!」


私は頬を膨らませながらそうつぶやく。でも、今度こそ攻略法がわかった。まずはあの果実を木からなくせばいいんだ。


「【スラッシュ】!」


私は木になっていた果実に向けて攻撃してみる。しかし、それはまるでなかったようにすり抜けてしまう。

だったらと思い、直接攻撃してみるが、それはやはりすり抜ける。


「ええ…?なんで…?」


わからない。ただ、おそらくだけど、これは破壊不可能。じゃあ、ボスにしては防御力が少なかったのって、もしかして、こうやって回復して何度も攻撃してくるからってこと?


「うわぁ…運営は嫌なボス作ったなぁ。でも、持久戦で、ビームの軌道は変わらないし。確かに耐えてればいい感じかも!」


今日は早い時間にログインしたから時間もある。根気よくやろう!


  〇 〇 〇


そう決め込んで地道な作業をすること2時間弱。とうとうフィールド中にあった果実がなくなった。


「よし、一気に倒すよ!」


私は撃ってビームを避けながら、集中砲火を浴びせかける。【パワーブレイド】や【フレイムブレイド】が次々に命中していき、メガネザルのHPが3割を切った時。


メガネザルは私から少し距離を置くと、自分からHPを減少させた。


「なんだろう…」


残りHPの25%を犠牲にした理由は、すぐにわかった。メガネザルが増殖したのだ。全く同じの、見分けがつかないメガネザルが2体。

どっちかが本物なのか、どっちも本物なのか。


「と、とりあえず、攻撃あるのみ!」


私はビームを撃ってくる2体のメガネザルに接近して、片方のメガネザルを斬りつける。しかし、それはゆらりと消える。これは…幻影!?


その幻影を斬った瞬間、本物のメガネザルの目の輝きが一層強くなる。これは、絶対に耐えきれない!


「【スラッシュ】!」


気休めにしかならない【スラッシュ】を撃ち、私は必死に走って接近する。撃たれるが早いか、斬るが早いか。


「【パワーブレイド】!間に合えええええ!!」


私が剣を振り下ろすと同時に、メガネザルのビームも放たれる。

そして、次の瞬間、私の視界は真っ白になったーー


ご観覧ありがとうございました。

ご感想・ご要望、誤字脱字報告、ブクマ、レビュー、評価、よろしくお願いします。


次回の更新は、12月16日(水)23時前後を予定しております。

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― 新着の感想 ―
[良い点] サクサクと話が進み、ついつい続きを読んでしまうテンポの良さ。 主人公、葵のほんわかした雰囲気。 [一言] まだまだお話の序盤かとは思いますが、葵がこれからどうなっていくのか非常に楽しみで…
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