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Extra World Online~眼鏡の力で雑魚剣士は突き進む~  作者: 古河楓
STAGE:01 剣士と眼鏡
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#003 ダンジョン攻略!

EWOを始めてから2週間がたった。

私はレベルが16まで上がり、スキルもいくつか増えた。この森の中だったら、囲まれない限りはなんでも倒せるようになった。


「それで、今日はゆっきーが来ないから、1人でレベル上げと新スキル探しをするわけなんだけど…」


私はどこをどうすれば新スキルとかが手に入るとかはわからない。唯一わかっているのは、この先にダンジョンがあるということ。そして、そこのボスが低確率で装備をドロップするということ。レベル16の私でも、回復道具さえあれば十分に単騎攻略が可能ということ。

お金が溜まっていたので、ポーションをいくつか買って、準備万端。


「本当に私みたいなので倒せるのかなぁ…。ステータスはまだまだ雑魚だし、スキルもまだまだ初期のモノばっかりだし…」


それでもゆっきーとスレの住人はこぞって「ポーション2個あれば余裕」と言っていた。

念のために、20本持ってきたけど…。


「行ってみるだけ行ってみよ…。ダメだったら逃げればいいし。デスペナルティは受けたくないし…」


私は無理とは思いつつも、初のダンジョン攻略に胸を弾ませながらダンジョンに向かっていった。


  〇 〇 〇


「ここが…ダンジョン?」


たどり着いた先には、洞窟のような場所だ。しかし、入り口の両脇にはかがり火が置いてあり、中を覗いてみたら、中にはたいまつやろうそくで照明が施されてあった。


「うん…怖くない…怖くない…!」


そう自分に言い聞かせながら、勇気を振り絞ってダンジョンの中に1歩を踏み入れる。

そして、完全に入った瞬間に、システムメッセージが届いた。


『始まりの迷宮、難易度ノーマルの攻略チャレンジを開始します。制限時間は無制限、クリア条件は最下層のボスの撃破です。初挑戦時は一度のみ自動蘇生機能が付与されます』

「え…?自動蘇生機能…?」


最後の言葉が気になって、私はステータスボードを出して、ステータス上昇効果を見てみた。


【自動蘇生】:HPが0になった時、一度だけ残HPを50%にして蘇生する。


「つまり、一度死んでも一回だけならHP50%で復活できるってこと…?」


それに加えてポーション20本もあれば大丈夫だと思う。


「よし、頑張ろう!」


ゲームで頑張ることは何なのかを考えても、答えが出てこなかったので、細かいことは考えずに、先に行くことにした。


そして、、近くにあった階段を下りた先にいたのは、5匹のスライムだった。


「スライムさんは初めて見るね…。確か掲示板には水属性以外の魔法攻撃に弱いって書いてあったけど…」


あいにく、私はまだ魔法を覚えてない。とりあえず、今あるスキルで徹底抗戦だ。


「じゃあ、かかっておいで!」

『……!』


私が左手に持っている小型の丸型シールドを構えるのを見るが早いか、2匹のスライムが突っ込んでくる。

どうやってかわからないが飛びあがったか不明のスライムは私がシールドを構えたところに突っ込んできた。

ぶつかったと時に、かすかに衝撃が体を走る。しかし、痛みは感じない。HPバーを見ても、1mmも減ってない。つまり、ノーダメージ。


「今度はこっちの番だね!【スラッシュ】!」


剣士が最初に覚えるであろうスキル【スラッシュ】を放つ。これが今あって、クールタイムが短いので唯一の遠距離攻撃!。


『……!?』


私の【スラッシュ】が直撃したスライムはその胴体を1:1に分裂させる。そして、それが地面におり立った時に、2つのスライムになった。ただし、大きさは2分の1.


「え…!?どういうこと…?」


敵のHPバーを確認すると、通常のスライムの半分になっている。この分だと、全ステータスが半分になってるのかも。


「もう一度、あのスライムを攻撃してみよう…」


私はもう一度2分の1スライムを攻撃してみる。すると、それはさらに2分の1に。


「もう一度…!」


もう一度、今度は斜めに刃を入れてみる。やはり、2分の1になる。


「だったら!」


そのスライムを斬ると、今度は消滅した。つまり、8分の1になると消滅する。ということは…。


「実質、40匹のスライムがいるってこと…?」


攻撃を加えるたびに2体に分裂するのだから、実質そう!火力が落ちたかわからないから、なるべく早く始末する必要がある。

これじゃあまるでどっかのGみたいだ!


「ああああ!もう!」


私はやけくそになってスライムを斬っていく。斬るたびにスライムは分裂していく。分裂したスライムを徹底的に叩き潰していくこと20分。

…私はようやくスライムの討伐に成功した。


「はふぅ…早くも疲れちゃった…」


1階に入って間もないのに、私はつい階段の側面に寄りかかってしまう。いくらレベル16とはいえ、一度に40匹のミニスライムを相手にするのは疲れた。

今もたれかかっているところの近くに何かがあるような気がするけど、それにかまっている暇もないくらいに疲れた。今日は学校もあったから、疲労困憊だ。


「とりあえず…!行きますか」


少し休憩して、体力を回復させた私は、再び立ち上がる。残りの階層も攻略して、このダンジョンの攻略を成功させるために!


「…立てよ、国民!」


そういって、一歩を踏み出した瞬間。


…………………カチッ。


「…あれ?」


響き渡るスイッチの音に、私はとても嫌な予感を覚える。これって…トラップ!?

ちょ…脱出しないと!


などと思う暇すらなかった。いきなり地面が揺れ動いたせいで、私は思いっきり尻もちを搗く。そして、さっきまでもたれかかっていた“階段の側面”に吸い込まれていく。


「うひゃあああああ~!」


まるでモグラが作ったような小さく丸いトンネルを私はゴロゴロと転がっていく。ボーリング場で転がされるボールの気持ちを十二分に体験したところで、私は空中に投げ出された。

そして、慣性の法則に従って、地面に一直線。


「ぐえっ…」


3m前後の高さから地面にプレス状態になった私は、目が回るのを我慢しながらゆっくりと立ち上がる。


「ここは…」


目の前には大きな門のような、ドアのようなものがあった。周りは植物で囲まれており、緑の美しさがうかがえる。


「もうボス戦なんだ…。もしかして、他の階層をすっ飛ばせる短縮用トラップだったのかな…?」


私は適当な考察を立てながら、そのドアを開ける。


人生初のボス戦!私はとってもワクワクしていた。


ご観覧ありがとうございました。

ご感想・ご要望、誤字脱字報告、ブクマ、レビュー、評価、よろしくお願いします。

次回の更新は、明日の午後22時30分前後を予定しております。

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