表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Extra World Online~眼鏡の力で雑魚剣士は突き進む~  作者: 古河楓
STAGE:01 剣士と眼鏡
13/18

#010 性格が悪い!

タイトルは私のことじゃないですよ?(一応原作者でゲームクリエイターみたいなものだから私とも言えますが)

ゴブリンとの戦闘で、偶然発見された地下へと続く道。おそらくは隠しダンジョンかと思われる。侵入は可能なので、周囲に人がいないことを確認した私たちはその階段を下っていく。


「うう……地面に顔が埋まっていくように周りからは見えるけど……」

「特に何も感じないね……」


視界がどんどん地面に近づいていく。だけど感触のようなものはない。その器用な感覚に私とゆっきーは少し戸惑っていた。


そして、次の1段を下った瞬間私は完全に地下に潜った。そこからさらに数段行くと、今度は天井が現れた。どうやらあそこだけが幻影魔法のようなもので隠蔽されていたのだろう。

運営が隠しているのだから、とてつもなくレアなものがあるに違いない。


「でも、その代わりボスはとっても強いかもね~。まあ、私とアオなら負けないと思うけど!」

「あはは、どっからその自信くるの?まあ、私もそう思うけどね!」

「どっちよそれ!」


私たちはそんなことをいい合って、笑いながら階段を下りる。


降りた先は、眼鏡を拾ったこの前のダンジョン同様、両側がかがり火によって照らされていた。このゲームのダンジョンはどこもそうなのだろうか……。


「それじゃ、行こっか。アオが前行って。なにか見つけたら教えて」

「わかった。サポートよろしくね!」

「もっちろん!まっかせなさ~い!」


どこかで聞いたようなテンポで気合十分な声を出すゆっきー。これは大船に乗ったつもりでいいと見た。


私はリラックスして前を進む。でも、薄暗い場所は怖いものはしょうがないので常時【メガネレーダ―】を発動させて敵がいるかどうかを確認する。


そうして頼もしい相棒(兼幼馴染)と頼れる眼鏡を使い前に進んでいくと、そこには行き止まりがあった。そこからT字型に道が分かれている。


「ゆっきー、どっち行く?」

「う~ん……アオはどっちがいいと思う?」

「私は……右かなぁ」

「私も一緒。それじゃあ右に進んでみよっか」


分岐点を右に曲がった私とゆっきーは再び前進する。そして、行き止まりにあたる。再び現れたT字型の分岐点を次は左に取る。

そして、その道をまっすぐ行くと、今度こそ何もない行き止まりに出てしまう。


「アオ、もどろっか……」

「そうだね……」


と戻ろうとしたとき、突如【メガネレーダ―】が隠しトラップの反応を示す。その反応は、私たちの真下だ。


「ゆっきー、急いで離れ……」


私がゆっきーとその場を抜け出そうとした瞬間、私たちは光に包まれてーー


――スタート地点に戻された。


  〇 〇 〇


「ぜぇ……ぜぇ……」

「もう、これで何度目だっけ……」

「わ……わからないよ……結局昨日は6回試して全敗、今日はこれで少なくとも7回目……」


結局、昨日は同じことを5回した結果、ゆっきーがその場でキレて攻略中止。今日も既に6回スタート地点に送還されている。

しかし、徐々にマッピングができるようになってきており、最初の右ルートは全滅という結果だった。


「それじゃあ、右は全滅だったから今度は左に行こうか……」

「そうだね……でもその前に調べたいところがあるんだ~」


私のカンが正しければ、もう3か所可能性がある。


1か所目、最初の分岐点の地面とか壁とか。


「【メガネサーチ】!」


結局収穫はなし。


2か所目、一番最初にトラップの被害にあった場所。


「【メガネサーチ】!!」


結果、もちろんあるわけがない。


3か所目、灯台下暗しというから、いっそのことスタート地点!


「【メガネサーチ】!!!」


スタート地点のすぐ近く……階段の方から細部に注意しながら操作すること20分。ゆっきーが暇すぎて部活でやっている筋トレを意味もなくやり始めたとき、私はとあるものを発見した。


……そこには階段のようなものがあり、地上で最初にこの場所を発見したときのそれと全く同じようなものだった。

おそらくこれは……下へと続く道か、それとも隠し通路なのか。


「ゆっきー、隠し通路か正規の通路かわからないんだけど階段見つけたよ~!」

「ええ!?本当に入り口付近に!?」


私はもう一度その場で【メガネサーチ】を使用する。うん、間違いなくそこには階段のようなものがある。現に2段目のある場所に手をつくと、手首くらいまで地面に浸かる。


「ここが正規じゃない可能性あるからね……どうする、ここは一度放っておいて先にあっちの迷路行ってみる?」

「どうしよっか……いつまでも出てるような物じゃないと思うけど……とりあえず、迷路を急いで創作しよっか」


私は「そうしよう」と頷いて立ち上がり、もう一度最初の分岐点を右に曲がり、一つずつ可能性をつぶしていく。


そして、最終的に……


……右側にも、なにもなかった。

ということは……。


「ここが正規ルートォ!?」

「うん……そうみたい……」

「うっわ~、運営性格悪くなったね~」


それには私も激しく同意。こんな、幻影魔法を見破れなければただの迷路でここは完結していただろう。

確かに迷宮=迷路みたいな感じはあるけど、ここまでお騒がせな迷宮なんていくらなんでもひどいと思う。


「意地でもクリアしてやろう!」

「そうだね、ゆっきー!」


私たちは少しだけ運営に怒りを感じて、その階段を下りていく。

そして、降りた先には……。


「ホント、運営はとにかく性格悪いね~」

「そだねー」


再び迷路が広がっていたのだった。


ご観覧ありがとうございました。

こんな運営は嫌だ!っていうのがあったら、絶対に5本の指に入るでしょうねこれ(笑)


次回更新は12月29日(火)の午後を予定しております、詳しい更新時間帯はツイッターをご覧ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ