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Extra World Online~眼鏡の力で雑魚剣士は突き進む~  作者: 古河楓
STAGE:01 剣士と眼鏡
11/18

クリスマスSS2話 メリークルシミマス!!~技術研のクリスマス~

メリークルシミマス!!!

「今年は、どっちの家でやる?」

「私の家でもいいんだよ?ちゃんと昨日から掃除したし、きれいにかたずけておいた」

「私のところもそうだよ~。ペットがいつもぬくぬくしているところとか、抜け毛が大変でさぁ……」


そんなことを言いながら、福井雪葉と中町葵の2名が帰っていく。どうやら、彼女らは自分たちでやるクリスマス会について話しているようだ。


それに引き換え、我々技術研は……技術研はぁ……。いかん、涙が出てきた。悲しい。


「なにが悲しくて広場の木のクリスマスツリー化をせにゃならん……」


そう、我々技術研は今、校門から見える広場にある木のクリスマスツリー化を行っている最中だった。

そして、それが終わったら技術研の本拠地……PC室、通称ラボで部員たちと悲しい悲しいクリスマス会をすることになる。


「かちょー、下の電気配線終わりましたよ~」

「課長じゃない、ぶ・ちょ・う!!」


部下1がいつもの通り課長呼ばわりしてきたので、すぐに訂正させる。それを見て他の部員どもは「伝統芸能だぁ」と言ってくる。

それに向かって「喋る前に手を動かせ」と叫び、自分も配線を繋ぎ、適当な飾りをつけたりする。


そんなことをしていると、こちらに白衣を着た女性がやってきた。


「あ、カオス先生、こんちはっす」

「どうかな~、進んでるかなぁ?」

「はい!既にイルミネーション装置への電池供給装置も作成済みですし、対リア充用の簡易電流地雷も設置済みです!」

「それはよろしい」


この人は須岡先生、通称カオス先生。担当は情報で、大変フリーダムな授業と、フリーダムな実習と、フリーダムな学歴と、フリーダムな経歴と、カオスな定期考査を作る先生で、この部活の顧問。

経歴で言えば、高校から某東大学に入ったと思えば、大学院で某筑大学院に行ったと思えば、今度は某早大学の大学院に研究員として所属したこともあり、教師になる前はとある芸能事務所のマネージャー、弁当屋のバイト、某ネズミの中身、そしてゲームのシナリオライターを経て、現在この学校で教師をしているらしい。

ちなみに、なった理由は「テレビを買い替えたい」という理由らしい。


「それで~、ちゃんとポテチとかチキンとか買ってきたよ~。あと、打ち上げ花火も」


なんで打ち上げ花火を買ってきているのだろうか。


「どれ、クリスマスツリーに4~5個仕掛けておくか……。この前作成した遠隔操作装置を使えばいいでしょ」

「え、ええ……って、どれだけ持って来とるんじゃ!!!」


なんと、打ち上げ花火(簡易)が3つの段ボール箱を埋め尽くしている。どこからそんなに持ってきた……。


「いやぁ……知り合いがこのメーカーに勤めててねぇ。なんか売れ残ったからってくれた」

「それ大丈夫なの?」


明らかに大丈夫じゃないと思うけど。ツッコまんでおこう。


  〇 〇 〇 


午後7時、ラボ。PC室のPCは配線をちょん切って全て廊下に放り出し、テーブルとイス、教員用パソコンだけになった部屋に、総勢12名の技術研部員、そしてカオス先生が現れた。


「それじゃあ、課長が音頭を」

「ぶ・ちょ・うだっつーの!!!」


脊椎販社でそう返し、改めてジュースの入ったコップをもって、掲げる。それを見ると、部員たちも、カオス先生も……って、それ缶ビール!!お酒!!!


「ここ学校ですけど……」

「もう勤務時間外だし。他の先生帰ったし。校長にもチューハイという名のわいろ送っておいたから大丈夫」


……じゃないと思うんですけど。細かいことを気にしてはこの部活でやっていけない。

とりあえず、気にしないことにして、もう一度改めて。


「それでは……。今年もクリぼっちの我ら技術研に……!メリークルシミマス!!!」

「「「「メリークルシミマス!!!」」」」


それが終わると、部員たちは好き勝手に飲み食いを始める。つまみを片手に缶ビールをあおるカオス先生が買ってきたケーキ(7号、曰く知り合いがくれた)、チキン(知り合いの農家から送られてきた)を食べる。美味しい……。クリぼっちの身にしみることこの上ない。


教員用パソコンを使用して、某ニコニコできる動画を見たり、曲を流したりと、どんちゃん騒ぎ。9割方がキャラソンとかアニソンなのはしょうがない。


そして、一通り飲み食いし終わったら、我々技術研は屋上に昇る。星が少し見える夜空は、一人で見るには寂しすぎるものだった。しかも寒いし。


そこで、我々は段ボールにある打ち上げ花火に次々点火していく。


上空で、炎の花が咲き誇る。1秒もしないうちにもう1輪が咲く。また1輪、もう1輪。

気づけば、我々技術研部員は涙を流しながら点火しては、打ち上げていった。


そして、最後の一番でかい花火が夜空に上がった瞬間、我々は口を揃えて。


「「「「リア充、爆発しろおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」


と叫んでいた。


ご観覧ありがとうございました。

ええ、リア充爆発しろッ!

次回の更新は明日の22時頃です!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] カオスな感じが出ていていいですね〜! [一言] まさかの学校で花火! カオスですね……!
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