鏡
サクッと読み終わると思います。
ふとした瞬間、視界の隅をナニカが通り過ぎる気がする物陰を見ていた。
以前までは、気のせいだと思っていた。
だが....見てしまったのだ。
部屋の隅で、何か蠢いている気配がある。家の中には、私一人しか呼吸している生物はいないはずなのに....
いつもなら....いつもなら反射的に振り向くところだが、写っていたのだ。
机の上に置かれた鏡の中に....
カーテンの影から、誰かがじっと、こっちのことを見つめている。
思わず真っ青になって振り返った。
ナニカは、悟って逃げたのだろうか？怪しげに揺らめくカーテン。
私は、こわごわと窓に近づいた。恐怖心よりも好奇心がこの時までは勝っていたのだ。
思い切ってカーテンをめくり返した。
が....誰もいない。
「おかしいな。確かに、何かが....」
私は用心深くカーテンの向こうまで凝視した。
その間も、机の上の鏡の中から、ナニカがじっとこちらを見つめていた....
我ながら良いのでは？と思った作品なのですが....どうだったでしょうか？
