第7話 異世界の貴族に会いました
アスティーナ王国の王都を出て、結構歩いた。時間が分からないと大変不便なので、創造魔法で時計を生み出しておいた。
ロレックス「ポール・ニューマン デイトナ」である。腕時計に関しては、よく知らない。前にスマホで調べてたら20億という売値に目がいって、覚えてただけだ。
勿論、もっと高いのもあるが、今欲しいのは、時間が見やすいもののため、これで良い。それに腕時計は、この世界にはない。時計がないわけではない。アンティークな置き時計はある。ただ、腕時計を作る技術はない。
そういうことである。
因みに俺はもう歩いていない。疲れたので、車で疾走している。一応、道は整備されているので、走りやすい。まぁ、貧乏学生の俺は、中古車しか乗ったことないが、こういうときだからオフロードでも走れる高額車を召喚しておいた。
ロールス・ロイス カリナンだ。ロールスロイスには、一度乗ってみたかったので、これにしといた。加えて、ガソリンは何故か召喚できず、燃料は、魔力となった。
MP1消費=ガソリン1L
という計算式のようだ。まぁ、MPが1200で、創造魔法のおかげで魔力量を持て余している俺には、ピッタリな運用方法って訳だ。
車を販売して、生計を立てるってのもいいな。貴族とか皇族とかに売って、産業として第一人者になる。修理も魔法でいけるし、燃料も魔法だし。これ冒険者じゃなくても行けるかもしれん。
それから、考え事をしながら30分近く走っていると、
道端に車輪が壊れて立ち往生している豪華な装飾が施された馬車を見つけた。馬車のそばには、執事が一人と可愛げな少女が一人。その周りを数人の騎士が守っている。
辞めたほうが良いとは思いながらも、後で難癖つけられるくらいならと俺は彼らに近づき、窓を開けて声をかけた。
「大丈夫です?」