第6話 バルドの本意
俺は、このアルティーナ王国の最強の剣として、常にこの国と民の安寧を考えている。だが、国王陛下と王女殿下は、私のことを信頼してくださらない。勇者召喚などど迷信紛いなものに手を出して、異世界の餓鬼共を王宮内へと迎えてしまった。
俺が許せないのは、大したスキルも持たない一般人を呼出したことだ。他の三人は、まだこの世界で生きる為の力を持っているから、その力をこの国のために利用してやれば良い。
だが、あの子は違う。スキルを持たぬものは、この国にとって他の民らと何ら変わらん。ということは、私にとって、守るべき存在である。
昨日の態度は、あの子をこの国に留まらせ、この国の安全な街へ追放という形で保護する為だったのだが、勘違いさせてしまってはいないだろうか…。
私は友人や妻からもよく、言葉足らずだと指摘されている。
この国の、この世界の問題を、異世界の子供らの力を借りるのは、間違っているのではないか。俺は、そう思えてならない。あの独房も場所をしてっているのは、俺と国王陛下だけ。そもそも、あそこは俺たちが幼き頃に前王陛下に叱られて、閉じ込められていた場所だった。
他のとこは知らんが、ベットや机、シャワーを完備してるから、牢屋とは考えんだろう…。
いや、待てよ。俺、あのときに照明すらつけていなかったのでは?そうなると、昨夜は、真っ暗の状況で過ごしたということ…。
早く行かねば!まずは、謝ろう。他はそれからだ。