二話〜冤罪の企み〜
皆さんどうも。アーノルドです。今日は、自分でも悪夢と感じた冤罪回です。僕の夢の続きです。それではどうぞ。
召喚から今日で3日経過した。あの時の国王の顔は忘れられない。いや〜満足満足!
「巻き込まれし者です。」
チートな能力を手にしている俺は、嬉しさを噛み締めていたが、そんなことを知らない国王と王女は驚きで固まっていた。
「そんな…馬鹿な…」
「信じられません。そんなことが…」
これは、ちょっと強めに出てもいいかも。いや待て。その前にこの創造魔法でここをこうして…
俺の発言を頑なに信じようとしない、(そもそも嘘だけど…)王女は、
「鑑定させてください。」
「…どうぞ。」
王女は鑑定スキルを持つ部下に俺を鑑定させた。すると…
「確かに、巻き込まれし者だ。間違いありません。」
「他のスキルは!?」
「無いようですね」
「そんな…」
勿論、俺はチート能力を持ってる。ならなぜ、鑑定できなかったか。それは、創造魔法で完全隠蔽を創り上げたからである。無論、完全隠蔽もステータス画面からは消えている。そんな俺は、彼らに強気で言い放った。
「どういうことですか?どうして、私にはスキルがないのですか?貴方達はは、召喚しといてスキルの無い私にどうしろというのですか?」
彼らは何も言えずにいる。少し可哀相ではあるが、こっちの気持ちも知らずに勝手に異世界転移させ、魔王を倒せなんて。そもそも間違っている。それなら、もっと強そうなやつを連れてくればいいのだ。
その場で答えの出せなかった彼らは、返事は先延ばしとなった。俺も言い過ぎた気持ちもあり、待つことにした。
◇
「明日から皆さんには、騎士団と一緒に稽古を行っていただきます。」
「はいーーー!?」
「どういたしましたか?」
なんだ?この王女3日前のことを忘れたわけでもあるまいに、いやここは我慢だ。わざわざ自分の立ち位置を悪くするのも馬鹿な話だ。冷静になろう…
「エリーナ王女殿下。大変恐縮ではありますが、私のスキルの件はどうなったのでありましょうか?」
「勇者様は、巻き込まれし者を持っているではありませんか。それだけでも騎士たちとは稽古できると思います。」
あぁ、なるほどこの王女馬鹿だな。どうせ国王にでもあのスキルで大丈夫とかなんとか言われて納得したのであろう。だから嫌なんだ。ラノベの世界は、王族が馬鹿ばかりだから。だか、本気を出せば、疑われるし、手加減するば痛いしなぁ…。
「どうしたー?こんなものなのか?勇者とは。」
そう言っているのは、王国騎士団長のバルドだ。そうだよ。あの召喚されたときにふざけた事言ってたやつだ。こいつ俺の不遇スキルを知っていながら本気でやっている。俺は、後で回復することにし諦めてやられることにした。
「いってぇーーー!あいついつか殺す!」
稽古から戻る途中に愚痴をこぼしていると、なぜだか俺の周りを囲んでくる他の勇者3人。なんなんだよこいつらは。
「あんたさ、弱いんだったら来んなよ。俺らまで弱く見られて迷惑なんだよ。」
「そうだ!来んなよ。」
「怪我すると危ないですので部屋にいてください。」
あぁ〜。なるほど。勇者として讃えらられて調子乗り始めたか。ここは、ひいといたほうが今はいい。
「分かった。悪かったな。もう来ねぇよ。」
◇
色々あったが、一週間経過した。俺は、ずっと部屋に籠もっていた。どれだけチートな能力があっても使えなければ意味がない。俺は、魔法量を上げるためひたすらに使っては倒れ、使っては倒れを繰り返していた。今日もひたすらに魔法の練習をして、倒れるように眠った。まさかこれが平和な最後の日になるとは露にも考えずに…。
その頃王室では、国王、騎士団長、王女の3人が密談を交わしていた。
「陛下、あの男は、本当に一般人のようです。」
「だが、どうしろというのだ。奴は、異世界人だ。我々が禁術に手を出した事を知れば他国からなんと言われるか。」
「私に考えがあります。陛下。これには王女殿下のお力が必要です。」
「だからエリーナをよんだのであろう。何をするつもりだ。」
「奴を罰するのです。牢に入れてしまえば問題ありません。」
「だがどうやる?」
「私にお任せください。陛下」
その夜、バルドは拓海の部屋に侵入した。彼を罠にはめるために。
次の朝、俺は、部屋のドアを叩く音で目が覚めた。
「何だよ。こんな朝から」
目をこすりながらドアを開けると、バルドが、不敵な笑みを浮かべながら立っていた。そして、俺になんか書かれた紙を掲げて叫んだ
「罪人拓海!王女殿下への暴行の罪で拘束する!」
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「はぁ〜ーーーー?」
俺の考えも聞かずバルドは兵に指示を出し、俺を羽交い締めにすると地下牢に引きづって行き、閉じ込めた。
「どういうことだ!?俺は暴行なんかしてねぇ!」
「ならなぜ、暴行を受けたエリーナ様の部屋からお前の服が見つかる?」
バルドは、苛立たしい顔をこちらに向けながら証拠品を見せた。それは確かに俺が昨日の夜着ていたものだった。
「知るかよ!誰かが俺を陥れたんだろ。」
「ふん!下手な嘘を。どうせお前は役立たずだ。そこがお似合いだ。お前の処罰は追って知らせてやる。じゃあな。」
バルドは、俺にそう言い放つと高笑いしながら地下牢を出ていった。俺は確信した。
「バルド…テメェは、絶対に殺す。それにアスティーナ王国も許さねぇ。どんな手を使ってでも復讐してやる。」
この出来事が俺が王国へ復讐心を灯すことになったきっかけであった。
いや〜。バルド嫌なやつですよね。これが、夢に映像として出てきた私は腸が煮えくり返る思いでした。次回は、いつになるかな。とりあえず。登場人物紹介とスキル紹介するつもりです。これからは、復讐に向けた物語が始まります。素人ながらに頑張って書いていきます。それではまた!