道中
俺は、宝物庫のある場所へ着くまでの間、アカネからいろいろなことを聞いた。
わかったことは主に3つ。まず、この世界では魔法・魔術・魔導の3段階の魔法が使えるという事。
ちなみにアカネは治癒魔術まで使えるようだ。なぜあの時に使わなかったのかと聞いてみると興味深い返事が返ってきた。
「魔力が足りないと詠唱をしてもできないのよ。今は進化したおかげで魔力量が大幅に上昇したから使えるけど…」
へぇ、魔法にも消費魔力みたいのがあるのか。今度アカネに知ってる魔法を教えてもらおう。
次に、様々な種族が存在しているという事。これは何となく理解できた。
だが、少しばかり疑問に思ったことがある。この世界には何種族いるのかということだ。
聞いてはみたが、アカネにも何種族いるのかはわからないらしい。
最後に、この森の名は妖精の森といい、森の中心には【老樹さま】という神樹が
あるのではなくいるのだとか。
いろいろと聞いているとアカネが歩みを止めた。
目の前には大木があった。どうやらここが目的地みたいだ。
「着いたわ。ここがそうよ。」
アカネはそう言ってから地面を触り始めた。
「何をしているんだ?」
「鍵を探しているの。木でできている鍵なの。」
「もしかしてさっきから腕に巻き付いている鍵のことか?」
「そう、それ!でもなんで?」
「おれに聞かれてもわからねえよ。鍵穴ってのはどこにあるんだ?」
「ここに腕ごと差し込んで。」
言われたとおりにうろに腕を差し込んだ。
しばらくすると腕から鍵が離れていった。
すると、うろが地下へ続く階段となった。
「ここを降りるのか?」
「そうよ。行きましょう。」
アカネはそう言うと危なげに階段を降りて行った。
俺はその後ろをついて行きながら宝物庫へ行った……
次回もよろしくお願いします。