敗北
あの後の事はあんまり覚えていない…
ただ、今の状況が駄目だとわかるけど…
「カズキ…このまま暴れるって言うなら…容赦しねぇぞ?…まぁ、このままでも俺は構わんがな…」
うるさいな…俺は、もっと戦いたい…殴りたい潰したい斬りつけたい壊したい……なによりも暴れたい!…
「面倒ねあれ…任せたわユーダ…私は、怪我人でも見てくるわ…」
「ははっ…任せとけ…弟子の不始末は師匠が取るさ…」
「まだ何にも教えて無いでしょうに…」
「細けぇこった良いんだよ!…要は、殺さずに捉えれば良いんだろ?…」
うるさいうるさいうるさいうるさい…暴れさせろ!…こんな風に!…
俺は、男に向かって走り出し男の前で着地するようにジャンプする…
「やる気満々じゃねぇか!…良いねぇ…」
ジャンプしただけと思っているのか…
俺は、男に向かって左右の掌に気を纏って交互に放つ…
そして、着地と同時に燃えろ!と思いながら両手に気を集めて放つ…
「よっと!…おっと?…フン!…時間差だけど手加減は要らんぞ?…」
なかなかやるな…しかし、クソムカつくにやけ面だ…潰したい…
俺は、両手の掌に気を集めて放ちつつ相手の持つ剣を破壊するように更に気を纏い放つ…
「フン…狙いが見え見えなんだよ!…」
男は、剣で俺の放った気を切り裂きながら反撃と言わんばかりに斬撃を飛ばしてくる…
小賢しい…
俺は、斬撃を左手で弾きながらかき消した…
「へ~…やるじゃねぇか…なら、俺とダンスでもするか?…」
そう言いながら、男が斬りかかってくる…
ならば、こちらも様子見は終わりだ…
そのにやけ面に直接ぶん殴ってやろう…
俺は、両手で気を飛ばしながら勢いを殺さずに左回し蹴りで頭を狙った…
男は、剣で気を受け止めて回し蹴りをしゃがんで回避した後脚を剣で払ってきた…
俺は、払ってきた剣をその場でジャンプしながら空中て体を捻りながら踵落としを男の頭向けて放つ…
男は、避けられた後剣の腹で踵落としをガードしやがった…
ドーーーン!と、肉体と剣のぶつかった音とは思えない音が響き渡った…
「っち!…肉体も狂化されてんのか?…面倒くせぇー…悪く思うなよ…」
男は、俺の踵落としを押しのけて距離を置くと剣を下げた…
構えすら取らないとは…俺は、少しがっかりしながらも一思いに殺してやろうと、男に向かって走り出した…
拳が届く範囲に来ても構えないとは…
俺は、男の心臓に向かって貫手を放った…
だが、俺の放った貫手は当たることなく…
俺は、いつの間にか宙を舞っていた…
体の節々に痛みが襲ってきた…どうやら俺は、あの一瞬の間に様々な打撃や切り傷を受けたようだ…
「…負…けか…」
その言葉を最後に俺は、意識を手放した…
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