プロローグという名の昔話
むかーしむかし、人々は地上に住んで居ました。
地上は大層栄えていて人々は幸せに暮らして居ました。
そして大変高度な文明を持って居ました。
でも人々は高度な文明故に人が増えすぎてしまいました。
ある時偉い人は言いました、空に浮かぶあの月に移住しよ
うとそうすれば人口問題を解決出来ると。
人々はその言葉を信じて大層立派な塔を作り始めます。
塔には虹の架け橋の名前を銘打ったビフレストと名付けられました。
偉い人は言いました、塔にも人を住めるように塔の中腹に街を作ろうと。
人々は塔に街を作り始めます、それでも足りないと思いその周りにまた塔を建てました。
塔が雲を突き抜ける頃には人々は塔に暮らし始める者も居ました。
そんな時に他の国の偉い人はあろうことか塔欲しさに戦争を起こしてしまったのです。
その戦争は長い長い時間続いてしまいました、それはそれは凄い争いだったと言います、地上は草すら生えない程に汚染されてしまうぐらいに。
その結果地上は、空気より重い気体で満たされてしまったようで人々は住めなくなってしまいました。
それから幾百年と時間が流れ塔の街は唯一無二の人々の世界となり人々は過去のことを口を揃えてこう言います。
世界は私たちの足元で長い長い眠りにつきました。