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時を超えし者  作者: 高遠 真也
第一章(仮)
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第六話 遭遇

この国について色々なことを調べた誠一とマサヒロ。彼らはこの国に何を思う。

 結局、この国について調べ終わるのは翌朝まで続いた。それにしても、法律などは根幹は殆ど同じ印象を受ける。末端は色々と違うが外で急に殴られるといった理不尽なことはなさそうだ。そんなことを考えていると天枷さんが白いドアの向こうから入ってきた。それも二人連れてだ。


「では、紹介しましょう。この二人は治安維持隊所属の要人警護隊員よ。」


 一人は筋肉が隆起している190センチ以上の大柄な大男だ。もう一人は170センチ前後だがかなりの筋肉質であることが服の上からでも分かる。これは護衛が豪華なようで。その方が万が一のことがあっても対応できる。


「自分が、杉並です。よろしく頼みます。」


 大柄な男はそう名乗った。寡黙そうな男だ。


「僕が黒田です。よろしくです。」


 もう一人は陽キャさんと言ったところか。自分とは真逆の人なんだなぁ、という感じだ。


「そういうことで外出する時はこの二人がつくことになります。」

「わざわざ護衛をつけて頂くなんて大変恐縮です。しかも、かなり選りすぐったと見受けられますが。」

「それだけ、重要な人物ということです。」

「なら外出させない方針を取ることもできたはずが、何故それを取らないんですか?」


 そうだ。人選してまで護衛をつけるくらいなら隔離した方が良いのである。何か裏があると踏んだ。


「これも上の意向なんで。」

「治安維持隊…ですか?」


 それに天枷さんは頷いた。表情は不快であったが。治安維持隊の人に対してさっきの言葉を言うのはあまり良くなかった。おそらくそれが原因であろう。杉並さんと黒田さんはそうではなかったが。


「杉並さん、黒田さん。これから宜しくお願い致します。」


 話の流れを断ち切るように二人に挨拶した。それを受けて二人は会釈をした。今は外に出ていろんな情報が知りたい。故に、天枷さんには表に出てもらった。


「早速二人には申し訳ないですが、外に出てもよろしいですか?」


 何か他にも許可が必要かと思ったが、それは考えるだけ無駄だったようだ。すぐに二人が承諾してくれたからだ。


 治安維持隊署を出てすぐに大通りにつく。そこで見られた光景は全てが真新しいものであった。と言っても、近未来SF映画で観られるような光景であったが。しかし、道は広くて、走っている乗用車も形状はまるで未来のようだ。最も、未来技術を持っている文明にこの言葉は不適切だが。右のほうを見れば400メートルを超える超高層ビルが集まっている。警察署のベッドからも見られたが、かなり距離が離れているがここから見ても壮観だ。今すぐに賑やかな街に行っても良いが、今回は左に行こう。何故か?気分の問題だ。


 左に行って見ると住宅街が見える。一戸建てだが3.4階建てが多いイメージだ。しかも乗用車は必ずと行って良いほど二台以上家の駐車場に停まっているようだ。その理由を杉並さんに聞くと道路を走る乗用車と空を飛ぶ乗用車が日常生活で必要だからそうだ。そして、大抵の住宅には地下があるそうだ。何故って?政府が一週間の非常食等を備蓄するように法律で定めたからだ。元いた世界でも、一週間の備蓄に関しては周知はしていたが、生きている間はとうとう明文化されなかったな。


 住宅街をスルスル歩いて行き、着いたところは住宅街裏の少々治安の悪そうな場所だった。恐怖心もあったが、知的好奇心が勝り躊躇もなく歩いて行った。少し暗いが歩みを止めずに進む。空を見上げると薄暗い雲がかかっていた。嫌な…予感がする…が、気にせずに辺りを散策する。


「離してくださーい!!」


 女性の悲鳴がする方に駆ける。二人もそれに追随する。すると、スーツ姿を着た女性が三人組の不良に襲われていた。と言っても詰め寄っている最中だが。それでも彼女が危機に陥っているのは事実だ。後先考えずに三人組の中で詰め寄っている輩に問い詰める。なかなかのイケメンだ。ナンパでもしていたのであろう。それに天罰を下すかのように両手を使い、その両手で詰め寄っている輩の胸にある突起物を爪先で擦り左耳にこう囁く。


「ちょっと、ちょっと♡いいんでないの?♡」


 周りから見ればそれは地獄絵図であろう。吐き気がしても仕方のなかろう場面であろう。苦しいこともあるだろう。しかし、自分の知恵を動員した結果がこれなのだから仕方のないことである。最も、人を救うならば自分の評価はいくら下がってもいいと思っている。それが功を奏したのか、された輩はかなり興奮しているようだ。囲っていた取り巻きがこっちを向いた。


「あ!?」

「てめぇ!!!」


 自分から見て、左側の男が殴りかかってきた。その動きを見てすぐに左前に移動した。そして、右手で奴の右手を引っ張り間髪入れずに左手で右手首を持ち、自分の右手を放す。右に半回転して相手の足元がぐらついたところで右手も奴の右手首を持つ。そして、押し込む。小手返しだ。それにより怖気付いた二人は逃げる。が、治安維持隊屈指のエリートである杉並さんと黒田さんに取り押さえられた。すぐに応援の治安維持隊も来たので一件落着となった。


「なかなかの体術をお持ちのようで。」


 そう言ってくれたのは杉並さんだ。


「いえいえ、まだまだ未熟者です。」


 そんな会話をしていると、さっきの女性の声がした。振り返ってみるともの言いたそうな顔をしていた。


「どうかなさいましたか?」

「えっと…あの…ありがとうございます。助けて頂いて。」


 身長は黒田さんと同等かそれ以下に見えたので165〜170辺り、そして髪は茶髪でレギュラースタンスツインテールだ。率直に言うと可愛い。と言うより、大人の色気がある。年も25歳前後だし。


「あ…いえいえ、人として当然のことをしたまでなので。」


 頭と両手を振って遠慮をする。それでも彼女は引かないのかさらに話しかけてくる。


「連絡先だけでもいいのでお願いします!」

「えっと、それは逆ナンと考えてよろしいですか?」


 この一言で顔を赤らめたのか下を向いた。世間一般で言うならば彼女はかなりのスタイルの良さだろうが、自分の脳内に性欲という概念がない以上そんなことはどうでもいい。因みに恋愛の一つ晒したことない自分が言うのもアレだが。彼女は治安維持隊に呼ばれてパトカーに乗った。そのあと二人に促されるようにして別のパトカーに乗って署に戻った。太陽が天高く照りつける正午のことだった。

彼女を助けたのは偶然か必然か。

誠一はその眼鏡からは何が見えるんでしょうかねぇ。毎日投稿できるように頑張っているので一話辺りの分量が少ないのはご了承くださいm(__)m

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