4(前世記憶last)
そして、乙女ゲームとは違う現実世界のシナリオが始まる。
彼は、彼女の牢屋に3年振りに訪れたのだ…
「マリア久しいな」
彼がどういうつもりで、訪れたのかは知らないが少し疲れたような印象を受けた。
「お久しぶりです。第二王子様…いや、時期陛下。少しお疲れのようで…今日は、時期王妃様はどうしてらして?」
久しぶりに喋ったがスラスラ言葉が出てきて安心する。
乙女ゲームでは、語られなかった国と人権力の事情により彼は、時期王様となる。彼女は王妃様に…そう牢屋の中で兵士から聞いた。さぞ幸せだろうと思うのに
「ちっとも幸せそうでは、ありませんね?」
思わずこう零してしまった。
彼は、聞こえたようで目を見開く。
「いや…」
しばしの沈黙の後に彼は、口を開く。
「望みは、あるか。何でも可能な範囲叶えてやる」
その言葉を理解すると彼女は、フッと笑みを零す。自分を嘲笑うような
「元婚約者に情けでしょうか…」
ないと伝えようとした。だが、生きる気力をなくした彼女には、望みがあった。
「では、私を殺して下さいませ。貴方の手で…そして、皆様の前で…」
乙女ゲームとは、違う現実世界となった今まで彼女は、疲れていた。
嫉妬欲望妬みの目、影口を幼少から受け悪役令嬢を演じるにあたり、完璧な令嬢となるための勉強
今は、飽きたのだろうが兵士に襲われかけたり殺されかけたりヒロインの命令だなんて言われ
ひどく疲れたのだ。
「なにを…」
「なら、いっそ貴方の手で殺して」
そして、彼女は死刑の日を迎える。
知ってる顔が見える。
「最後の言葉は、あるか」
彼の声は、少し悲しんでるように聞こえるのはなぜだろう。
「5歳以降から今日まで…多分今が幸せですわ…とても疲れました」
そして、彼女は彼に胸を刺さ死ぬ。
「お父様お母様ごめんなさい」
倒れる中で両親の目が入る。彼女は、泣きながら笑っていた。